• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ギリシャ悲劇はまだ序幕

形を変えながら危機は繰り返される

2011年5月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「ギリシャ悲劇の再来」――。新聞の見出しが躍る。しかし、悲劇はそもそも終わってなどいなかったのだ。

 昨年5月に、IMF(国際通貨基金)や欧州からの支援策が発動された後、一時的には好転したものの、ギリシャとドイツの10年国債利回り格差は高水準で推移してきた。その利回り格差は4月後半からさらに急拡大し、ギリシャ政府はドイツ政府よりも12.5%ポイントも余計に金利を払わなければ、資金調達ができない状態となっている(5月10日時点)。ギリシャの2年国債利回りに至っては、24.5%にも達している。

 現在の支援の枠組みでは、ギリシャは2012年1~3月期には、自力で国債を発行しなければならない。だが、このような現状では、それはほぼ不可能だ。

独財務相「債務再編はあり得る」

 放漫財政のツケに苦しんでいるギリシャのようなケースにせよ、金融危機を回避するために、民間部門の過大な債務を政府部門が抱え込んだアイルランドのようなケースにせよ、欧州周辺国における債務問題の根本的な原因は共通している。それは、通貨統合されたユーロ圏域内における、国際競争力格差に基づいた域内の対外不均衡である。このあたりの事情は、すでに拙論『「アリとキリギリス」の教訓は欧州を救わない』で述べたので、ここでは繰り返さない。

 足下で急激に利回り格差が拡大したきっかけは、ドイツのショイブレ財務相による「ギリシャの自発的な債務再編はあり得る」という発言だった。これまで欧州首脳は、公式には債務再編はあり得ないという見解を繰り返してきたが、ショイブレ発言はその可能性に初めて言及するものとなった。

 支援策発動にもかかわらず、市場のギリシャ政府に対する信認は取り戻せていなかったところへ出てきた債務再編の可能性は、市場の不安をさらに煽った。だが、ショイブレ発言は、現在の支援の枠組みではギリシャの債務問題は解決しないという市場の見方を、当局者も追認したものに過ぎない。

債務問題解決に向けた「3段ピラミッド」

 筆者は、欧州の周辺国債務問題解決には、3つの階層で対処が必要と考える。それを、「債務問題解決の3段ピラミッド」と名付けてみた。

画像のクリックで拡大表示

 まず、ピラミッドの基礎部分にあたる第1段目は、資金繰り問題への対処である。債務問題に直面した周辺国は、国債の発行コストが大幅に上昇しているために、借り換えで国債を償還することが困難になる。しかし、仮に債務不履行となると、国債を保有している金融機関に損失が生じ、金融システムを混乱させる恐れが大きい。

コメント0

「Money Globe ― from London」のバックナンバー

一覧

「ギリシャ悲劇はまだ序幕」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック