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震災を口実にした閉鎖主義を打破せよ

FTA/EPA/TPPを推進して経済に活力を

  • 藤末 健三

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2011年6月3日(金)

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 震災後、私は政治家と名乗らずに瓦礫撤去のボランティアとして宮城県に入った。現地は主要道路の瓦礫をやっと撤去したばかりで、港の近くにある製紙工場は想像以上の被害だった。工場の壁は壊れ、生産された紙が港の周囲に散らばっていた。

製紙工場で見た被災地の状況

 ある工場では、津波の被害を受けた一階部分を改修すれば何とか稼働できそうだとのことだったが、港や鉄道といったインフラの被害も大きく、産業の復旧は個別企業の努力だけで対応できるものではなく、政府の力が必要だと感じた。

石巻港の写真。手前に丸く巻かれた紙製品が見える。また、遠くに沈んだ貨物船が見える。港を完全に機能させるには貨物船の撤去も必要かもしれない
(藤末撮影、以下同)
鉄道は大きく破壊されている。枕木の下の石が津波で流されており、鉄道の修復も相当な労力を使うものと見られる
製紙工場。鉄道貨物などが工場の壁際まで流されている

被災地の企業は復旧投資を行わない

 このような被災地の状況を踏まえ、政府の担当者に「相当な支援を行わなければ企業は復旧投資をしないのではないか?」と見通しを尋ねたが、担当者は「企業経営者は工場の再開を行うと言っている」との回答だった。

 私は、腑に落ちなかったため、ある企業経営者に改めて「本当に会社は復旧投資をするでしょうか?」と問うと、その経営者は「藤末さん、経営者が外部に対して工場復旧ができないと言えますか!」と強く言われた。経営者の立場を理解しろという指摘だ。建前と本音は違うのである。そのことを私も政府関係者も理解できていなかったのだ。

 また、知人のエコノミストは、「この円高、電力供給の不安定化、余震のリスクなどを考えると、経営者は東北に投資することを株主に説明できない」と指摘している。

企業誘致で後れをとる日本

 一方、私は5月の連休中、台湾を訪問した。台湾の企業誘致策は日本のそれとは比較にならない手厚さだ。例えば、サイエンスパークに立地した場合には「利益が出てから」5年間は免税である。日本でも沖縄名護の特区では似たような免税制度があるが、その期限は会社設立時点からカウントされる。優遇税制の他にも、研究費支援、政府出資、低利融資などの公的支援がある。

 そして最近、韓国・大邱(テグ)地域の産業誘致策も説明を受けた。こちらも下表にあるように「5年間法人税なし」などの日本の誘致政策とは比較にならない優遇措置がある。特に企業への雇用補助金による雇用創出効果は大きいだろう。

画像のクリックで拡大表示

 これらアジア各国の投資優遇策を凌駕する政策を、日本が行わなければ、被災地の企業経営者は「被災地に投資をすることを株主に説明できない」だろう。

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