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震災復興で、ベンチャー企業に出番が回ってきた

需給ギャップを解消してデフレから脱却へ

2011年6月7日(火)

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 「東日本大震災によって生じる電力不足が生産活動を制約することは避けられない」

 野口悠紀夫氏がこうした見解を示している。「生産活動の制約」という言葉を日本経済は久しく聞いたことがなかった。なぜなら日本経済は1990年後半以降長らくデフレ状態に陥っていたからだ。

 経済全体で生産能力が過剰になっているため、企業は利益を上げても現金として抱え込むだけで投資に回さない。これが経済をさらに悪化させるという「負の連鎖」に陥っていた。

大震災を契機に日本経済の需給ギャップが解消に向かう

 だが、大震災によって生じた損害を埋めるため、日本経済の需給ギャップ(内閣府は約20兆円と推計)はかなり縮まるのではないかと思う。今のところ、震災によって需要が縮減することに対する懸念が一般的だ――消費マインドが萎縮し、小売り・サービス・旅行業に影響する。だが、大震災による損害を回復するために、政府や企業が今後投資を増やす側面が見逃されている。

 1995年に阪神・淡路大震災が起きて10兆円の損害が発生した際には、国内の建設投資が4兆円も拡大した。1995年から96年にかけて、日本経済は90年代で最大の成長を達成した。最大25兆円と言われる今回の損害額からすれば、今後発生する投資額は10兆円を超えるだろう。この投資は好循環を生み出す可能性が高い――建設投資が企業投資を誘発する。高度成長期のように投資が投資を呼ぶ。雇用が増大し、賃金所得が増加する。これらが消費拡大をもたらす――。

 今回の大震災で人々は、お金を持っていてもいざというときには全く役に立たないことを痛感した。人々の「選好」が「お金」から「モノ」に移行すれば、日本国内に眠っていた巨額のお金が本来の仕事を始める。これにより、日本経済がデフレからマイルドなインフレに転換する。これはそう遠いことではない。

デフレがベンチャー企業の活躍の場を奪っていた

 デフレ下の日本でいったい何が起こっていたのだろうか。

 手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションする。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だった。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込まない。

 日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできる。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられない。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできた。

 筆者は大手企業の行動を非難しているわけではない、大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思う。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけだ。

 人々の選好がお金からモノに移行するということは、購入する時の判断のウエイトが、モノの値段からモノの機能・価値にシフトするということだ。そうなればベンチャー企業が持つ技術力に目が向けられるようになる。彼らは自らの得意分野で「相撲」を取ることができるようになる。

必要は発明の母

 米国と異なり、日本ではベンチャー企業が台頭してこなかった。この理由の一つに、広い意味での安全保障分野の公的な需要が圧倒的に少なかった点が挙げられる。軍事分野では当然、コストよりパフォーマンスが重視される。

 必要は「発明の母」だ。

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