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今こそ、血みどろのシェア争いを勝ち抜け

復興に向けた提言:日本電産の永守重信社長に聞く

2011年6月15日(水)

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 世界景気は米国と中国が牽引役となり、回復局面に入った。しかし、今回の回復過程は、各国ごとに受ける恩恵にばらつきが生じそうだ。

 新興国市場が拡大して価格、品質など「需要の質」が変わり、同時に新興国企業が製造業を中心に実力をつけ、先進国企業が君臨していた分野をも侵食する勢いだからだ。

 最も危惧されるのは東日本震災で傷つき、「出遅れ景気」の中であえぐ日本企業。日本電産の永守重信社長は、日本企業には「血みどろのシェア争い」を戦う覚悟が必要と説く。

(聞き手は、日経ビジネス編集委員 田村 賢司)

日本電産の永守重信社長(写真:小倉政嗣、以下同じ)

 これからの世界経済は「先進国vs新興国」という構図になるのだろう。例えば、日本市場は縮小が避けられないが、新興国の市場は当面成長し続ける。だから結局、日本企業も韓国企業がやったように外へ出ていくしかない。

 とはいえ、新興国市場に入っていくのは簡単ではない。新興国では中国などのように、力をつけた地場企業が増えているからだ。地の利があるのは地場企業で、外国から進出する企業にはリスクも多い。

 そこで勝ち抜くには、まず母国でもっと企業が結びつかないといけないだろう。M&A(合併・買収)で統合しないとダメだ。戦国大名が天下を取ろうと京都を目指す時に、国元では周辺の大名と戦ったり、同盟(統合)を結び後顧の憂いをなくしたりしたのと同じだ。

 1997年のアジア危機の際、韓国は国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれた。これが契機となり、企業統合が進み強くなった。だが、日本ではなかなか企業統合が起きない。何も日立製作所と三菱電機と東芝の全部がくっつけと言っているわけではない。特定事業を対象にした統合でもいい。そうしなければ、もう世界市場では勝てなくなっている。

技術の過信はとても危険だ

 今の世界市場は、新興国市場が中心的位置を占めるようになって、構図が全く変わった。

 多くの日本企業は、中国など新興国の企業がどんどん安いものを出してくる時、「我々は高級品でいく」と考える。大企業ほどすぐにそう言う。だが思い起こすと、僕が日本電産を創業した73年に、米国にはRCAという巨大電機メーカーがあったけど、十数年でつぶれた。

 誰にやられたかといったら日本の電機メーカーだ。今で言えば、韓国や台湾、中国のメーカーにやられたようなものだろう。

 どうしてやられたかと言うと、高級品に逃げて低価格品はOEM(相手先ブランドによる生産)にしたわけだ。今、日本の会社が中国や台湾の会社にパソコンやほかのモノを作らせているが、それに似ている。

 高価格品市場だけで生きていけるというのは、技術的過信に基づいた発想で、とても危険だ。技術だけで売れるなら新興国市場はみな先進国の製品で埋め尽くされていたはずだが、そうはなっていない。新興国市場を侮ってはいけない。

 技術的過信は、企業と国の双方を危うい方向に持っていく。

 日本は東日本大震災でサプライチェーン(供給体制)が一部毀損したが、復興過程では、安くていいモノを早く作るところから部品や部材を調達するように変わるだろう。これは不可避の潮流だ。自由競争に完全に身を置かないと、日本企業は世界の中でもう勝てない。

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「今こそ、血みどろのシェア争いを勝ち抜け」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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