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水俣に見る未来社会

ブータンと水俣に学ぶ「被災地の復興」モデル

  • 草郷 孝好

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2011年6月22日(水)

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 3月11日が歴史の転機となったことは間違いない。世界有数の地震国・日本は、得意の最新技術を駆使して、防災や避難対策を練り上げてきた。しかし、自然の脅威はそれを軽く超え、生活基盤を破壊した。

 今後は、この窮地からどう復興するのか、国家の未来像が重要になってくる。原発問題によって環境汚染の不安も広がっている。これまでの成長路線による歪みが出ていないか。「日本の進むべき方向」を再確認し、問題があれば針路変更が必要となる。

GNH(国民総幸福)を追求する

 では、我々が目指すべき未来像はどんなものなのか。政府や電力会社といった巨大組織が無責任な施策と対応を繰り返した先に、震災があっただけに、社会を根底から変革するような未来を描かなければならない。

 ここで、1つの国家を参考にしてほしい。国勢調査で、国民の97%が「幸せ」「まあ幸せ」と答えた南アジアの小国ブータンだ。

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 彼らが国家の目標とするモノサシは(国民総幸福)の成長だ。最近、注目されているが、「GDP(国内総生産)成長からGNH成長へ」と言うと、「ユニークだが、日本では現実的ではない」と指摘される。だが、GNHはGDPを否定するものではない。GNHとは、経済的な豊かさを幅広く社会に還元するためにある。

 ブータンのGNHには4つの柱がある。「公正な社会経済発展」「環境の保全」「文化の保存」「よい政治」だ。国民が助け合いながら、生態系に負荷の少ない活動で経済成長を模索する。地方特有の文化や言語、歴史、生活様式を大切にする。

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 ブータン憲法にも、「政府の役割は、GNHを追求できるような諸条件の整備に努めることにある(第9条第2項)」と明記されている。憲法では、経済格差の回避、地域の活力、教育や医療の無償提供など、具体的な施策にも触れている。ブータンは、GNHによって社会の進むべき方向性を具体的に指し示し、GNH指標を用いることで、社会の現状を分析して、課題への対策を進めている。

 なぜ「GNH」を日本の復興のヒントにすべきなのか。それは、震災後、日本人が求めている「安心して暮らせる地域社会」を創っていくのに適したモノサシだからだ。その実現には、「循環型経済社会システム」の導入が不可欠だろう。

 もちろん、ブータンのGNH構想を、そのまま日本に適用することはできない。むしろ、GNHの4本柱を参考に、政府が掲げる「最小不幸社会と新成長戦略」を実現するグランドデザインとして、日本版GNH構想を持つべきなのである。

 ここで、また疑問が出てくるだろう。「実際に、どのように地域が変わっていくのか見えない」と。確かに、震災の影響は甚大で、被災地域を復旧することさえ容易ではない。まして、新たな社会のグランドデザインを作成して、それに沿って町を蘇生するなど、机上の空論だという批判が聞こえてきそうだ。

 だが、既に日本版GNH構想の先を見据えた未来型の地域が存在している。水俣市である。

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