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生産現場に襲いかかる「突然停電」

「史上最悪」が現実味を帯びる中国の電力不足

  • 薗田 直孝

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2011年6月29日(水)

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 中国で電力不足が深刻化している。現地報道などによると、今年の電力不足は夏場の需要ピーク時に3000万~4000万キロワットとなる見込みだ。記録的な電力不足に直面した2004年や2008年に匹敵するか、これらを上回る混乱が見込まれている。

 電力不足の背景は、まず需要サイドから見ると、堅調な経済成長を背景とした力強い電力需要がある。

 国際貿易機関(WTO)加盟以降、中国では電力需要が急速に拡大している。中国の電力消費総量は2010年に米国(3.9兆キロワット)を抜き、4.2兆キロワットとなった。既に、世界最大の電力消費国なのである。

 今年も中国の電力消費総量は2ケタ(12%前後)の伸びを示す見込みだ。実際、電力会社の企業団体である中国電力企業連合会(CEC)は2011年、前年比12%増を見込んでいる。

 とはいえ、今回の最大の問題は供給サイドにあると見ている。

北部、西部からの送電もままならず

 中国は、発電総量の約8割を石炭による火力発電に依存している。旺盛な需要を背景に石炭価格が高水準で推移している一方、政府当局が統制する電力価格は据え置かれてきた。石炭価格は過去5年で2倍以上になったにも関わらず、電力の販売単価の上昇幅はその3分の1程度にとどまっている。そのため、発電会社は発電すればするほど、損失が膨らむ市場構造になっているのだ。

 このため、発電会社は発電のインセンティブが低下している。中には定期的な設備点検などを口実に、設備稼働率を大幅に引き下げるところもある。その結果、発電量が抑制されるといった現象も起こる。足元、電力会社の生産設備稼働率は60%で、これは記録的な低水準である。

 また近年、当局は石炭資源を有する西部や北部(内モンゴルや山西、陜西など)で発電設備を新設しているが、送電網の整備が遅れているため、余剰電力を東部や中部の電力消費地に送電できていない。

 また、長江・淮河地域の干ばつにより、三峡ダムなどを含む水力発電量が十分な水準に達していないといった問題も顕在化している。ここ数週間、中国南部の7省で起きている干ばつは50年ぶりの深刻さと言われ、水力発電の伸び率は第1四半期の全年比28.8%から、4月には8.3%へと大幅に減速した。

 このように、「電気料金への価格統制」「石炭価格の急騰を背景にした発電量の抑制」「気候要因による水力発電量の低下」の三重苦が中国の電力事情を危機的な状態に陥れているのだ。

成型機に詰まってしまった樹脂製品

 これが、現地の企業活動に及ぼす悪影響は大きい。

 現地に進出している日系企業にヒアリングすると、「9月末頃まで、休日数を増やすほか、平日の稼働を控え、工場稼動日を週末にシフトするよう、当局から要請されている」といった声が多く聞かれる。

 このほか、従来より休日を増やして週休2日とするか、夏場のどこかで連続した10日間休業を設定するかの二者択一を迫られるケースもあった。また、夏場のピーク頃に、全休にする週と、生産活動をする週を交互に設定するよう要請された話も聞いた。

 こうした計画停電ならまだしも、事前通告がないまま突然、停電となる事例もあるようだ。

 樹脂成型部品の加工を手掛ける、ある日系メーカーは、成型機の金型に溶けた樹脂を流し込んだところで、事前通告のない停電に見舞われた。樹脂は機械の中で固まってしまい、これをはがして取り出すための作業が完了するまで、生産をストップしなければならなかった。

 また、電力不足は地域によっても事情が異なるようだ。

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