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セブンイレブンが被災地に商品供給できたワケ

  • 飯山 辰之介

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2011年7月6日(水)

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 東日本大震災で被災した人々のライフラインとして機能したコンビニエンスストア。もっとも、震災はその物流網に壊滅的な被害も与えた。未曾有の災害に対し、どうやってコンビニは物流網の維持、再構築に取り組んだのか、業界最大手セブン-イレブン・ジャパンの取り組みを見てみよう。

 弁当やおにぎりなど、いわゆるデイリー商品と呼ばれる食品類は即食性が高く、緊急時にも多くの人々に必要とされる商品だ。

 こうした商品はコンビニチェーン各社が協力メーカーに製造を依頼している。セブンイレブンでは、弁当などを製造する「わらべや日洋」や「武蔵野」などがそれに当たる。

 同社の協力メーカーは東北地方に12の工場を抱え、ここから各地の店舗に商品供給していた。だが震災で東北地方の全工場が一時稼動を停止。さらに停電などの影響で、北関東でも22工場のうち9工場、首都圏では50工場のうち20工場が被災した。

 このままでは被災地への商品供給が大きく滞ることになる。かといって周辺地区の工場から東北地方に商品を振り分けるだけでは、今度はその地の商品が欠損してしまう。そこで同社が取り組んだのが玉突き物流だ。

津波の被害を受けたセブン-イレブン多賀城大代5丁目店では移動販売車を用いて商品の供給に努めた

 基点となったのは直接的に震災の影響を受けていない長野・山梨地区の16工場と新潟・北陸地区の7工場。まず長野・山梨地区で生産した商品を福島県など北関東の店舗に配送。さらに一部商品を新潟・北陸地区にも配送した。一方、長野・山梨地区から補充を受けて在庫を厚くした新潟・北陸地区の工場は生産した商品の一部を被災地である東北に振り向けた。

 こうして生産余力のある地域の工場から玉突き的に商品を被災地に向けて「押し出す」ことで、サプライチェーンの寸断を出来る限り防いだ。

工場の「専用化」

 玉突き物流を機能させるには、各工場の稼動状況や原材料の確保状況などを本部が把握していなければならない。上述の通り、デイリー商品生産は協力メーカーが担っている。彼らの協力が必須だ。

 通常、デイリー商品のメーカーは複数のコンビニチェーンに商品を供給している。震災などで生産能力が大きく落ち込んだ場合、数少ない商品をさらに分散して各チェーンに振り向けざるを得ない。

 一方で、セブンイレブンは常時からメーカーと強力な関係を構築してきた。資本関係はないが、同社の協力メーカーの多くは同社の「専用工場」だ。全国で169あるデイリー商品の製造工場のうち156工場、つまり9割以上が同社の「専用」で、「その比率は他チェーンを大きく上回る」(同社広報)という。

 そのため震災で生産量が落ち込んでも全量をセブンイレブンに納入できるだけでなく、商品の在庫、流通状況を鑑みた効率的な商品生産も可能になる。どの商品がどの工場で作られているのか、その材料がどの工場にどれだけあるのかといった情報を一元的に把握管理し、無駄なく生産設備や原材料を使えるためだ。

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