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債務問題の行方が次代を決する

バブルと低成長、避けがたい運命

  • 萱野 稔人

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2011年8月11日(木)

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 これまで3回にわたってエネルギーと経済成長との関係について考えてきた。そこで得られた結論を一言でいえば、石炭や石油といった化石エネルギーが19世紀から20世紀にかけて人類社会にもたらしたような生産拡大を、核エネルギーも再生可能エネルギーも今後もたらすことはないだろう、ということだ。

 それほどまでに化石エネルギーが人類にもたらした経済的効果は大きかったのである。産業革命以降の化石エネルギーの活用によって、人類は生産力を飛躍的に増大させ、世界人口は現在までで約10倍になった。ちなみにエネルギー消費量は約40倍になっている。一人当たりでいうと約4倍の増加だ。

 エネルギーの観点からいうと、経済成長とは、全体のエネルギー消費量が増大し、かつ一人当たりのエネルギー消費量も増大するということにほかならない。これが20世紀の先進国における経済成長の中身であった。しかしそうした二重の増大を、核エネルギーや再生可能エネルギーはもたらすことができるだろうか。それぞれのエネルギーの特徴を考えれば、それが不可能であるのは明らかである。

 では、脱成長論者がいうように、経済成長はやはり過去のものになってしまったと考えるべきだろうか。とりわけ、化石エネルギーによる生産拡大の効果がすでに出尽くしてしまった先進国は、今後、低成長やゼロ成長に甘んじるしかないのだろうか。これがもともとの問いであった。

 私は低成長の現実はもう不可避だと思う。それは決して、先進国の産業がコストなどの点で新興国の産業に勝てなくなったからではない。あくまでも、エネルギーと経済社会という文明論的な視点からみて、そう考えざるをえないのだ。したがって、新興国もいずれ、化石エネルギーによる生産拡大の効果が終われば、同じような低成長の現実に直面することになるだろう。現在は、20世紀に先進国で起こった経済成長が、周辺国へと波及し、より短い期間で反復されている段階にほかならない。

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