• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

単純比較できない2つの大震災の影響

減損会計と損益分岐点分析についておさらいしよう

  • 松尾 絹代

バックナンバー

2011年8月23日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 東日本大震災(以下「大震災」)を原因とする企業の倒産が後を絶ちません。阪神・淡路大震災と比較して、2.5倍(2011年7月、帝国データバンク調べ)のペース、関連倒産も含めれば約4倍のペース(2011年7月、東京商工リサーチ「東日本大震災の関連倒産 200件」から)で増加しているものの、被災した自治体があまりに広範囲で、全体像が把握できず、いまだに効果的な施策が打てない状況です。

 今後の復興事業費も、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて試算中だそうですが、難航しています。阪神・淡路大震災の復興事業費16.3兆円は、被災した建築物、ライフラインなどの資本ストック9.9兆円の約1.65倍でしたので(日本総合研究所調べ)、内閣府試算の被害額(暫定)16.9兆円の1.65倍、約28兆円は最低でも必要だと見積もられるにとどまっています。一刻も早い、具体策の立案が待たれるところです。

 このような2つの大震災の影響の比較が財務諸表に関しても行われることがあります。しかし、それには盲点があるのに注意してください。2つの大震災の間に会計の世界では、会計ビッグバンという激変があり、会計基準のルールが大きく変わったからです。

 これまで財務諸表から震災損失という「過去」を読む方法についてご説明しましたが、今回からは会社の未来へと視点を変えたいと思います。

会計の世界に起こった激変

 阪神・淡路大震災の発生は1995年。当時の会計環境は、経済のグローバル化、あるいはボーダレス化が波及し始めた時代でしたが、日本の会計基準を襲う会計ビッグバンは、まだ到来していませんでした。この会計ビッグバンこそ、2つの震災の間に横たわる激変です。これは、2000年前後に日本の会計基準が次々と改正されたことを指す言葉です。会計基準は財務諸表を作るためのルールです。ルールが変われば数字が変わり、財務諸表も変わります。

 どのように変わったのかについて、土地を例に説明しましょう。会社が転売目的で1000万円の土地を購入したとします。バブル崩壊後、この土地の時価が100万円に下落したら、財務諸表にはどのように記載されるでしょうか。

 会計ビッグバン前の会計ルールでは、土地の金額は購入した価格です。時価が大幅に下落しても土地は1000万円。時価との差額900万円は「含み損」と呼ばれ、土地を売却するまで表面化しません。100万円で売却した時に初めて固定資産売却損900万円という損失が損益計算書に現れるルールでした。

コメント0

「財務諸表を読んで復興支援!」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長