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荒れる欧州市場、必要な政治的意志

調整は市場に任せるだけでは実現しない

2011年8月18日(木)

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 ユーロ圏の周辺国債務問題や、米国債の一部格付け機関による格下げを受けて、株価が大幅に下落するなど金融市場の混乱が欧州でも続いている。欧米の混乱を受けたリスク回避資金の流入によってスイスフランが急騰し、スイス国立銀行が銀行間金利の誘導目標をゼロパーセントに引き下げ、さらに量的緩和にも踏み込むなど、影響はユーロ圏外にも及んでいる。

 欧州当局は、問題解決に向けて対策を打ち出してきたが、これまでのところ後手に回ってきた。しかし、ユーロ圏首脳が7月21日に合意した総額1090億ユーロの第2次ギリシャ支援策については、問題解決に向けて債務の返済可能性に焦点を移した点で画期的であったと考えられる。

前進が見られた第2次ギリシャ支援

 これまでの対応策は、ギリシャに緊縮政策の見返りに資金繰りを支援するが、これでは成長率が押し下げられてしまう可能性があった。さらに、モラルハザード防止の観点から支払い金利が “ペナルティ”として高く設定されたために、債務残高も増えるなど返済可能性はむしろ悪化しかねなかった。しかも、イタリアやスペインの国債利回りも上昇を始めるなど、ユーロ周辺国からユーロ中心国へと債務危機が飛び火する恐れも高まっていた。

 その点、第2次支援策は、[1]欧州連合の構造調整基金の活用などで成長や雇用拡大を目指す方向が打ち出され、[2]ペナルティ金利の廃止、[3]民間投資家関与によって国内総生産(GDP)比1割程度の債務削減が盛り込まれ、ギリシャの債務返済の可能性を改善する措置がとられた。

 さらに、欧州金融安定機構(EFSF)が、支援を要請していない国に対しても必要に応じて国債買い取りや金融機関への公的資本注入ができるよう、規約の改定が合意された点も評価できよう。

 欧州中央銀行(ECB)も、8月4日に金融市場の一部が円滑に機能していないとして、無制限流動性供給の延長、国債買い取り策(SMP)再開を発表した。

ECB内、ユーロ圏首脳間の不協和音

 ただし、今回の債務負担軽減策だけで、ギリシャ問題が解決に向かうとは考えにくい。現在GDP比で150%を超えるギリシャの政府債務残高を、今後20年間かけて90%まで引き下げていくために必要なプライマリーバランス(利払い前財政収支)は、GDP比9%程度と試算される。だが、第2次支援策を実施しても、プライマリーバランスは同7%に下がるに過ぎず、依然として越えなければならないハードルは高い。

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「荒れる欧州市場、必要な政治的意志」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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