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「繰り延べ税金資産」を理解すれば後は簡単

税効果のイメージをつかもう!(その2)

  • 松尾 絹代

バックナンバー

2011年9月20日(火)

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 東日本大震災(以下「大震災」)に起因して、赤字決算を余儀なくされた会社はたくさんありました。マツダもそんな会社の一つです。

 「マツダ、最終赤字600億円 前期、10期ぶりに無配に」
 これは、2011年4月29日付の日本経済新聞の見出しです。さらに記事から一部を引用します。「(前略)…東日本大震災の影響で12年3月期の収益見通しが算定できないため、繰延税金資産を取り崩して税金関連費用が増えたことが響いた。…(中略)…繰り延べ税金資産の取り崩しによる税金費用は567億円だった」

 記事は、最終赤字600億円の原因を、税金関連費用と伝えています。この多額の税金費用の意味、皆さんはきちんと理解できていますか?

 今回の「財務諸表を読んで復興支援!」は、前回に引き続き、税効果会計を取り上げます。基本的な仕組みは前回説明しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

税効果会計の前提は「ずれ」

 PCさえあれば誰でも自由に閲覧できる上場会社の財務諸表。現在、日本で上場する会社の財務諸表は、日本の会計基準のほか、国際会計基準や米国の会計基準を使って作られています。3つの会計基準の中身には、多少の違いがありますが、主として投資家に役に立つ財務諸表を目指す点は一致しています。

 一方で、会社は稼いだ利益に応じて法人税等を納めなければなりません。この税金計算をなるべく公平に行うように、税務のルールがあります。税務のルールと会計のルールは、目指すものが違いますから、内容も違います。そこには、不一致や「ずれ」が存在します。前回は、その「ずれ」が財務諸表にもたらす弊害をご説明しました。税効果会計の対象は、この「ずれ」です。

 例えば、ある決算期は、会計の利益が1,000万円少なく、将来の、ある決算期は、会計の利益が1,000万円多い。このような「ずれ」に適用される税効果会計が、今回のテーマです。

 この「ずれ」の結果、税金の前払いが生じることがあります。次の図は、当期、「ずれ」の利益1,000万円に対して払う税金は、将来払う税金の前払いとなっている関係を表わしています。

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