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「非常識」政策でユーロ危機打開を

求む!“大岡越前“型のリーダーシップ

2011年11月11日(金)

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 ギリシャからイタリアへ、欧州の債務危機が深刻な状況に陥っている。

 ドイツのメルケル首相が10月4日に、金融機関への資本注入策を示唆して以来、市場では欧州危機解決に向けた楽観論が広がっていた。一時は株価も上昇して、リスク回避先であるドイツ国債利回りも上昇基調となった。10月27日のユーロ圏首脳会合が包括的対応策を発表すると、株価はさらに上昇した。

 しかし、ギリシャのパパンドレウ首相が突如、第2次支援受け入れの是非を国民投票にかけると表明してから、市場は再び大混乱に陥った。本稿執筆時点(11月8日)では、首相の退陣と引き替えに、与野党が挙国一致内閣を樹立し、緊縮政策と構造改革など支援条件を受け入れることで、ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る事態は回避される見通しとなった。

イタリアに飛び火しユーロが存亡の危機に

 だが、ギリシャ危機はイタリアに飛び火し、さらに重大な局面を迎えている。8月に欧州中央銀行(ECB)が証券買い取りプログラム(SMP)を通じてイタリア国債の買い取りを受け入れたのは、イタリア政府の緊縮政策と年金改革、労働市場改革の実行が条件だった。ところが、SMPが開始されると、ベルルスコーニ首相は連立与党内に反対論があったこともあり、構造改革を骨抜きにして市場の不信を煽った。

 もともと、スキャンダルを抱える首相は、連立与党内でも求心力が低下しており、構造改革を実行する意志とその実行力に疑問符が付いていた。そこへ、ギリシャの国民投票騒動が勃発し、危機に火が付いた。

 首相は、構造改革プログラムを含む2012年度予算成立を条件に退陣を表明したが、国債取引のスプレッド引き上げをきっかけに、イタリア10年国債利回りは本稿執筆時点で7.2%超まで上昇し、ドイツ国債との利回り格差は550ベーシスポイントとなっている。これはギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどがユーロ圏と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請した時点の利回り格差、570ベーシスに迫る水準である。

 さらに国債発行残高が1兆6000億ユーロのイタリアが支援を要請した場合、資金量に限りがある欧州金融安定基金(EFSF)では救いきれないという懸念も現実問題として浮上している。現在の形でユーロ圏を維持できるか、瀬戸際の状況に追い込まれている。

課題山積の包括的救済策

 ギリシャとイタリアが、どのような形で連立政権を組むのか、新政権が緊縮政策や構造改革への関与をきちんと示せるのか、依然として未知数だ。国債利回り急上昇を受けて、イタリア議会は予算案採決を前倒し、新たな連立政権樹立を急いでいる。だが、それで市場が小康を取り戻せるかも不透明である。

 時計の針を少しだけ戻すと、ユーロ圏17カ国首脳会合は10月27日未明に、以下の3つのポイントで包括的救済策に合意している。

【1】民間投資家の「自発的」負担でギリシャの債務を50%削減

【2】欧州金融安定基金(EFSF)の規模を信用保証や特別目的会社(SPV)の活用で拡大

【3】周辺国国債も考慮した資産再査定と自己資本比率9%への引き上げを行い、銀行に対する資本増強を進めること

 だか、そもそも包括策の細部に、当初から問題が潜んでいる。まず、債務削減が金融市場に混乱をもたらす信用事由と見なされないように、「自発的」な民間関与という形をとった。しかし、「自発的」な関与で、本当にギリシャの債務返済可能性を改善できるだけの十分な数の民間投資家が参加するのか、という課題が残る。

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「「非常識」政策でユーロ危機打開を」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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