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太陽電池を東北の新たな基幹産業に

それを阻む日本企業のスピード不足

2011年11月30日(水)

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 今年3月に東日本大震災が発生してから8カ月余りが過ぎた。津波で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県を擁する東北地方はどうすれば復興できるのか。誰もが確たる青写真を描けずにいる中、半導体製造技術の世界的権威である大見忠弘・東北大学名誉教授は、「太陽電池産業が東北の新たな基幹産業になる」と喝破する。

 それを可能にするのが、大見教授が中心になり30年にわたって開発してきた半導体製造装置だ。これが完成すれば、世界のエネルギー地図を塗り替えるほどのインパクトを持つという。

 大見教授は、1980年代に日本勢に押されて業績不振に陥っていた米インテルのデバイスの性能と生産性を劇的に向上させ、同社の飛躍に貢献したことで知られる。その研究内容には、国内だけでなく海外の企業も熱い視線を送っている。

 未曾有の震災に対して、我々東北大学ができることは、新しい技術を開発して産業を興し、そこで利益を生み出して地域を潤すことである。

 新たな産業が勃興すれば、世界中の優秀な頭脳と資本も集まってくる。さらに新産業によって生み出された利益が新たな技術開発に投じられれば、次の産業の創出につながるという好循環も生まれる。

 このようなサイクルをここ東北の地に生み出す起爆剤となるのが、太陽電池産業だと私は考えている。

 現在、原子力発電に代わる自然エネルギーを求める声が高まり、その本命として太陽光発電に大きな注目が集まっている。しかし、残念ながら現在の技術では、「太陽電池が発電するエネルギー」よりも、「太陽電池の製造に使われるエネルギー」の方が圧倒的に大きい。太陽電池を使うことは、CO2(二酸化炭素)を削減するどころか、その増加をもたらしていると言っても過言ではない。

 こう言えば、気の早い人は太陽電池に寄せる期待をしぼませてしまうだろう。しかし希望を捨てる必要はない。今まで述べてきたことは、「現在の技術レベル」での話であって、技術革新によって解決できる問題であるからだ。

太陽電池が真の産業に成長するための2つの課題

 太陽電池は半導体の一種であり、半導体の生産のために開発した新しい製造技術は、太陽電池の製造にも応用することができる。

 すなわち、次の2つの課題をクリアすればよい。1つは、今よりも桁違いに「超高性能」で「超高生産性」である新方式の半導体製造装置を開発すること。もう1つは、その装置を使って、「高変換効率」の薄膜シリコン太陽電池を大量生産できるようにすることだ。技術革新によってこの2つの課題を解決できれば、圧倒的に安価で変換効率の高い太陽電池を生産し供給することが可能になる。

変換効率
 太陽電池に注がれた光エネルギーのうち、何%を電気エネルギーに変換できるかを表す数字。

薄膜シリコン

 現在の太陽電池は大きく「結晶型」と「薄膜型」の2つに分類できる。

 結晶シリコンを使う「結晶型」は、原料コストは高いものの、変換効率が高い。主流の多結晶シリコン型の変換効率(セル段階)は15~18%だ。

 一方、「薄膜型」は、シリコンや化合物半導体などの原料をガラス基板に直接成膜して作る。変換効率は結晶型に比べて低いが、生産性の高い大量生産技術を確立できれば、製造コストを大幅に引き下げられる。

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「太陽電池を東北の新たな基幹産業に」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長