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2012年、「不作為の緊縮財政」を回避できるか

米景気の腰を折る「3つの仕掛け」とは

  • 安井 明彦

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2011年12月22日(木)

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 2012年の米国は大統領選挙の年。米国民にとっては次の4年間を託す指導者を選ばなければならない年だが、重大な決断を下さなければならないのは政治家も同じである。政治の機能不全が続けば、米国経済は「不作為の緊縮財政」のショックに襲われかねないからだ。

無策でも進む財政再建

 「2015年度の財政赤字は約2000億ドル。GDP(国内総生産)比では1%程度にまで縮小する」

 2011年度の財政赤字は3年連続で1兆ドルを超え、GDP比でも9%近い高水準を記録した米国に、こんな予測がある。根拠のないバラ色の見通しではない。中立性に定評のあるCBO(議会予算局)が、今年8月に発表した予測である(図)。

 財政再建が政治課題であるはずの米国で、なぜこのような予測が可能なのだろうか。その謎を解く鍵は、CBOの財政予測が「何の政策変更も行わなかった場合」という前提を置いている点にある。現在の米国財政には、何もしなければ財政再建が急速に進む仕組みが組み込まれている。言い換えれば、2012年に政治家が何の決断も下さなければ、景気とは無関係に財政再建が「進んでしまう」のが現実なのである。

 不作為の緊縮財政の仕組みは、今年末にも仕掛けられていた。社会保障税の減税など、バラク・オバマ政権が実施した景気対策の一部は、今年末での期限付きだった。年末の慌ただしい時期に政権と議会が減税延長の議論に取り組んだのは、経済に脆弱性が残るなかで、減税の失効によって「予定通り」に緊縮財政が進むのを避けるためだ。

2012年末の 断崖絶壁

 もっとも、今年末に設定されていた不作為の緊縮財政の度合いは、2012年末に待ち受ける「断崖絶壁」とは比較にならない。2012年も党派対立による政治の停滞が続けば、少なくとも3つの仕掛けが2013年から発動され、米国は緊縮財政に突き進むことになる。

 第1に、もっとも大きな影響があるのが、2000年代前半に実施された大型減税(ブッシュ減税)の失効である。2010年末までの時限減税として始まったブッシュ減税は、失効期日直前に2年間の延長が成立し、何とか2012年末まで生きながらえている。このまま予定通りに全面失効となれば、2013年には2500億ドル規模の実質増税が発生する。

 第2に、11月末に財政再建策を策定する議会の超党派特別委員会(スーパー委員会)が物別れに終わったために、2013年から歳出の自動削減が始まることになった。今年夏に成立した財政管理法は、向こう10年間で最低でも2.1兆ドルの財政赤字を削減する道筋を定めている。スーパー委員会が具体的な再建策を作成できなければ、2013年から歳出を自動的に削減して、不足分を捻出する仕組みである。2012年中に何らかの回避策が講じられない限り、2013年度には約700億ドルの歳出が削減されそうだ。

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