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2012年度の景気、政府の強気の見通しは当たるのか?

日本経済・世界経済の展望(上)

2011年12月28日(水)

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 2011年も多くの驚くべき出来事があった。東日本大震災があり世界経済は欧州危機に揺らいでいる。ではこれからの日本経済はどうなっていくのだろうか。新しい年を迎えるに当たり、日本経済と世界経済の現状を再確認し、今後を展望してみたい。

 ただ将来を見通すことは難しい。「分かりません」と言ってしまったほうが早いかもしれない。しかし、将来について何か発言しろと言われれば、勉強もするし、いろいろ考えるから、経済についての理解も深まる。自分の見通しが当たることもあれば、外れることもあるが、当たれば自信になるし、外れれば反省の材料が得られる。将来のことを考えないよりは考えたほうが圧倒的にプラスであることは間違いない。

 以下では、きっちりした展望を示すというよりも、私がこれからの経済についてあれこれ悩みながら考えていくプロセスをそのまま書いて行きたいと思う。読者の方々がこれからの経済を考える上での材料を提供できれば幸いである。

 今回は景気の先行きについて考えることにする。

これからの経済で重要なのは外生的変化

 一般に景気の予測は「条件付き予測」である。私自身、政府や民間シンクタンクで何度も経済予測を手掛けてきたのだが、政府でも民間でも、予測をする場合にはまず「外から与えられる変数」(外生変数という。世界経済の動き、石油価格、政府の政策などがこれに当たる)を決め、次にこれを前提に消費、設備投資、輸出などを決めて行って成長率などの変数(内生変数)を予測するというプロセスを取る。つまり、ほとんどあらゆる経済予測は、ある外生変数のセットを前提とした上での予測なのである。これが「条件付き予測」という意味だ。

 このことを景気の変動という角度から見ると、景気の変動は「内生的な変化」と「外生的な変化」に分けられるということになる。前述の内生変数と外生変数の区別と似たようなものだが、内生的な変化というのは景気自身が持つ自律的な変動であり、外生的な変化というのは、外から加わってくる外的環境の変化に伴う変動である。日本の過去の景気変動を振り返ってみると、景気が変化するきっかけとなるのは、(特に良かった景気が悪くなる時は)何らかの外的ショックであることが多い。石油価格の上昇、円高、リーマン・ショック、そして今回の大震災などである。

 一旦ショックによって景気が動き出すと、今度は内生的な景気変動のメカニズムが作用して、自律的に変化が続く。この内生的な変動についてもいくつかのポイントがあるのだが、今回は省略する。というのは、今年から来年を展望するには、内生的な変動よりも外生的な変動が圧倒的に重要だと思うからだ。

 その外生的な変動としては、現時点で大きく二つの動きが交錯している。一つは東日本大震災の影響であり、これはこれからの景気にプラス方向の力として働く。もう一つが欧州危機の影響であり、これはマイナス方向の力だ。このプラスとマイナスのどちらが強いかによって景気の基本的な方向が決まるというのが、現時点での私の基本的な景気観である。

 東日本大震災と景気の関係については、震災の直後にこのコラムで、最初は景気にマイナスに作用するが、その後はむしろ景気にプラスであるという展望を述べたことがある(「3・11ショックが景気に及ぼす影響)。簡単にそのメカニズムを復習しておこう。

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「2012年度の景気、政府の強気の見通しは当たるのか?」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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