• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米製造業は「復活」するのか

オバマが狙う雇用問題解決は的外れ?

  • 安井 明彦

バックナンバー

2012年2月23日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「製造業の衰退」を指摘されてきた米国が、製造業の立地先として注目を集めている。カナダにあったガスタービン工場を閉鎖してノースカロライナ州で新たな生産施設を稼動させたドイツのシーメンスや、タイヤ生産を中国から米国内の新工場に移す計画を明らかにしている米カーライル・カンパニーなど、米国内に生産をシフトする企業もあるようだ。

 そもそも米国には、成長する巨大市場という強みがある。輸送コストや消費者のニーズ把握といった観点を考え合わせても、米国で生産する利点は存在する。また、常に先端を走る市場である米国でのビジネスは、国際展開の試金石としての意味合いもある。

見直される米国の魅力

 さらに近年の米国には、製造業の立地先としての魅力を高める2つの追い風が吹いている。

 まず雇用にかかわるコストである。OECD(経済協力開発機構)によれば、米国の製造業の単位労働コスト(一定量のモノを作るのに必要な労働コスト)は、2000年から2010年までに約13%低下している。隣接する先進国のカナダはもちろん、ユーロ圏と比較しても低下幅は大きい(図1)。ちなみに、OECDの統計は現地通貨建てであり、ここに示された米国製造業の強みは、ドル安メリットを織り込む前の姿である。

 ユーロ圏との違いでとくに目立つのは、金融危機後の動きだ。ユーロ圏では、金融危機後に単位労働コストが大きく上昇している。これに対して、米国の単位労働コストの動きは小さかった。急速な経済の減速に見舞われた米国の製造業が、迅速に雇用調整を進めてきた様子がうかがえる。

 雇用コストにおける米国の魅力は、これまで「雇用の流出先」とされてきた新興国との対比でも指摘されている。中国で顕著なように、新興国の賃金が上昇しているからだ。

 米コンサルティング会社のアリックスパートナーズは、(1)中国の賃金が年率30%の上昇を続け(2)人民元の対ドルレートが年率5%ずつ上昇し(3)運輸コストも年率5%で上昇-―という条件では、北米市場向け生産拠点としての中国の労働コストは、2015年までに米国と同じ水準になると試算する。同じく米コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループも、北米市場向け生産拠点を米国ではなく中国に設ける経済的な利点は、やはり2015年ごろまでに消滅すると予測している。

コメント0

「Money Globe- from NY(安井 明彦)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ドイツ企業は協調と競争の使い分けに長けている。

ビル・マクダーモット SAP CEO(最高経営責任者)