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不屈のサプライチェーン

タイ洪水から生まれる新経営モデル

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2012年3月5日(月)

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 東日本大震災がそうであったように、タイの洪水はいともたやすく、無慈悲に、産業の基盤を奪い去った。ホンダに限らず、現地に拠点を構える日本の代表的な製造業は、静かに押し寄せる洪水の前では無力そのものだった。

 昨年10月8日夕刻、タイ・アユタヤ県のロジャナ工業団地に、未曾有の大洪水が押し寄せた。ホンダの工場の目の前を流れる小川の堤防を決壊させた水は、じわじわと水位を上げ、わずか1日で2mを超える高さに至った。水がその場にとどまり続けた1カ月半超という期間は、工場の設備や出荷を待っていた1055台の完成車を廃棄に追い込むのに十分な時間だった。

水が引けた直後、タイ・アユタヤのホンダの工場敷地内

 ホンダでは排水が完了した昨年11月末以降、再稼働に向けた作業を順次始めた。床にこびりつくヘドロを洗い流し、廃棄設備を屋外に搬出。敷地内の枯れた芝生も張り替えた。そして水に浸かったクルマは販売しないという姿勢を打ち出すため、1055台の完成車を自らの手でスクラップしている。

 ホンダは今回の洪水で2012年3月期に、営業利益ベースでおよそ1100億円分の損失を被った。設備や製品・部品の在庫の直接被害に、工場稼働の停止による販売機会の逸失が重なる。東日本大震災の影響もあり、通期では前期比65%の営業減益となる見通しだ。「類稀なる異常値」。池史彦専務執行役員はこう表現する。

 タイ中央部のチャオプラヤ川流域は、南北100kmの間の起伏が十数mという平坦な土地で、規模の大小を問わなければ洪水は毎年の恒例行事。むしろ、川の氾濫によってもたらされる豊かな栄養分を糧に、人々はいにしえの昔から稲作を営んできた。

 この土地に工業団地が出現するようになったのは、1990年代以降、自動車産業を中心とした製造業の本格的な誘致を政府が進めてからだ。無論、政府も洪水の危険性を認識しており、整備された幹線道路に盛り土をするなどの対策を講じてきた。しかし、「50年に1度」「タイ近代史上最大」ともされる大洪水は、安全を売り物としていた工業団地の堤防を実にあっさりと切り崩してしまった。

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