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独メルケル首相の「妥協」は「敗北」ではない

ユーロ救済の最大の受益者はドイツ自身

2012年7月19日(木)

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 6月28、29日に開かれた欧州首脳会議では、域内の預金相互保証を柱とする銀行同盟や、欧州の救済基金である欧州金融安定基金(EFSM)並びに欧州安定メカニズム(ESM)による金融機関への資本注入、国債市場への直接介入といった措置が決まった。いずれの施策にも直前まで反対姿勢を示していたドイツが、イタリアをはじめとした主要国の説得に応じ態度を翻したことから、今回のサミットの結果は「ドイツの妥協、イタリアの勝利」である、という論調が欧州域内で強まった。

 欧州のメディアでは、折しもサッカー欧州選手権で、イタリアが下馬評の高かったドイツを下したこともあって、「ドイツはブラッセルでもゴールを許した(独紙)」、「仏オランド大統領はカッサーノのようにアシストし、伊モンティ首相はバロテッリ(彼もファーストネームはマリオ)のようにボールをネットに押し込んだ(伊紙)」(注:カッサーノ、バロッテリはともにイタリアのサッカー選手の名前)といった報道合戦が展開された。

 しかし、欧州連合(EU)統合に関する議論の深化の過程で各国が直面しているのは、上記のような一時的な勝ち負けではなく、各国がどのようなビジョンを持って長期的にEUと向かい合っていくか、というより本質的な問いかけだ。この点を見誤ると、スペインやイタリア、あるいはドイツが出て行くことでユーロ圏が崩壊するといった短絡的な議論につながりやすいように思う。

ユーロ導入で輸出入の拡大が成長を押し上げ

 欧州統合の核となるのは、「労働、資本、財、サービス」といった「4つの自由」という単一市場へのアクセスだ。ドイツの視点からみれば、ユーロ導入以降の2000年代における経済的発展は、この単一市場のメリットを抜きには語れない。同国は今でこそ最も裕福な国として影響力を持ってはいるものの、そんなに遠くはない過去、必ずしも経済的に力のある国ではなかった。

 ドイツを経済大国に押し上げたのは、2000年代の統合後の単一市場アクセスの拡大であり、グローバル化に伴う世界的な貿易規模の拡大であった。以下の表は、ドイツの各年代の成長率のうち、各需要項目の寄与率、つまり成長率に占める各需要項目のシェアを示したものだ。

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「独メルケル首相の「妥協」は「敗北」ではない」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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