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増税を「正常化への一里塚」と受け止める米国

「財政の崖」解決策が示した米国経済の実力

2013年1月25日(金)

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 年明けまでもつれ込んだ米国の「財政の崖」を巡る与野党協議。懸案だったブッシュ減税(所得減税)の取り扱いについては、年収45万ドル(約4000万円、個人の場合は年収40万ドル=約3600万円)以下の世帯に対する減税恒久化で決着した。

 「財政の崖」を回避するこの法律は、上記の年収に満たない大多数の納税者にとっては減税失効を伴わないことから、「納税者救済法(American Taxpayer Relief Act of 2012)」と名づけられたが、今回の措置は家計の総体で見ると紛れもない増税である。富裕層限定とはいえ、所得税率の引き上げをともなう増税が実施されたのは、1993年のクリントン政権時代以来20年ぶりのことだ。

2000億ドルもの家計負担となるが

 しかも、増税となるのはそれだけではない。財政協議の俎上から外れた給与税減税が予定通り打ち切られたほか、2010年3月に成立した医療保険改革法、いわゆる「オバマケア」にともなう富裕層への超過税率も導入された(表1)。

表1 2013年に引き上げられた主な税率
表1 2013年に引き上げられた主な税率

 これらを合わせた家計の負担増は、総額で2000億ドル(約18兆円)近くに達する。米国GDPのおよそ1.3%に相当する金額だ。その割合を日本経済にあてはめると、ざっと7兆円規模の増税ということになる。この数字からも、今回の家計に対する負担増がいかに大きいかがみてとれるだろう。

 シンクタンクのタックス・ポリシー・センターの試算によると、8割近い世帯で税負担が増えるとみられており、増税額は、ブッシュ減税が終了した年収50万ドル(約4500万円)以上の超富裕層世帯の平均でおよそ7万3000ドル(約660万円)、年収4万~6万ドル(約360万円~540万円)の中間層といわれる世帯でも、平均すると700ドル(約6万3000円)程度になると見込まれている。

富裕層の「余裕」が増税の影響を吸収

 金額の大きさもさることながら、幅広い世帯で負担増となることから、景気への悪影響を懸念する読者もいるかもしれない。実際、一部にはそうした見方がある。

 だが筆者は、実体経済に対する影響は思いのほか限定的なものにとどまるとみている。増税の大半が、消費余力の大きい富裕層に振り向けられているためだ。

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「増税を「正常化への一里塚」と受け止める米国」の著者

太田 智之

太田 智之(おおた・ともゆき)

みずほ総研ニューヨーク事務所長

1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。2012年7月より現職。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長