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米大学、「我が世の春」は終わるのか

ホワイトハウスの情報公開が増幅する選別の波

2013年4月16日(火)

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 金融危機が経営の追い風となった数少ない業種の1つが大学である。

 厳しい就職戦線を勝ち抜くため、学位を手に入れようと、大学に入学する人が大幅に増えたからだ。2011年10月時点の米大学在籍者数はおよそ2040万人と、ここ5年で2割近く増加した(図1)。

図1 米大学の在籍者数
(資料)米国商務省

高学歴は有利に見えるが…

 では、学位を取得することで、どれくらい有利な就職ができるようになるのだろうか。

 図2は、学歴別で失業率と週平均賃金を比較したものだ。これを見ると、学歴が高いほど失業率は低く、賃金は高いことがわかる。つまり、大学を卒業することで、仕事に就くチャンスが広がり、しかも相対的に高い賃金を得ることができることを示している。

図2 最終学歴別にみた失業率と週平均賃金
(資料)米国労働省

 この数字。一見、学位取得の効用が大きいように思われるが、失業率、平均賃金とも世代間の相違を考慮していない点に注意する必要がある。10年前、20年前に大学を卒業した人と、金融危機後に大学を卒業した人では、明らかに就職環境が異なるからだ。足元で学生ローンの返済に苦しむ若年世代が増えているのは、まさにその証左と言える。

学生ローンの延滞率は急上昇

 図3は、各ローンの延滞率の推移を見たものだ。そのうち、学生ローンの昨年12月末時点の延滞率は11.7%と2四半期連続で過去最高を更新した。その割合は、住宅ローンやクレジットカードローンの延滞率を上回り、個人向け貸出の中で最も高い水準となっている。

図3 各ローンの90日以上延滞率
出所:ニューヨーク連銀

 より詳細な集計によると、延滞率の悪化が著しいのが30歳以下の若年世代である。学生ローンを返済している人のうち、90日以上支払いが滞っている人の割合は35%と、その他の年齢層に比べて突出して高い。授業料の高騰を背景に借り入れが膨らむ一方、卒業しても希望する仕事に就けない学生が増えていることが、その背景にあるとみられる。

 また、延滞まではいかなくても、学生ローンの負担増などから、生活スタイルの変更を余儀なくされている若い世代も少なくない。

 ピュー・リサーチ・センターの調査によると、若年世代の持家率は、金融危機前の40%から、2011年には34%まで低下した。米国では生活必需品である自動車の保有率も、足元で7割を切る水準まで落ち込んでいる。回答者の中には、資金的な制約から、結婚や子作りを先送りせざるを得ないと考える人も増えており、大学を卒業したからといって、生活水準の向上に結びつくとは必ずしも言えないのが現状だ。

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「米大学、「我が世の春」は終わるのか」の著者

太田 智之

太田 智之(おおた・ともゆき)

みずほ総研ニューヨーク事務所長

1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。2012年7月より現職。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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