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「ドイツは信頼できるが傲慢さがイヤ」

揺らぐ独仏枢軸が欧州統合深化の足かせ

2013年6月18日(火)

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 フランスのフランソワ・オランド大統領の求心力が低下している。先日筆者がパリに出張に行った際、訪問先に向かうタクシーの中でフランス人の運転手に「オランドとサルコー(二コラ・サルコジ前大統領)のどちらが好きか?」と聞くと、運転手は迷わず「サルコー」と答えた。どんぐりの背比べではあるが、オランド大統領の支持率はフランス第5共和制下で最低の20%台まで低下している。

銀行同盟からキプロス救済まですべての面で対立

 オランド大統領が不人気なのは、失業の拡大と景気の低迷という経済的な理由があることは間違いない。確かに、オランド氏が大統領に就任したのはユーロ危機が悪化していた最中であり、タイミングが悪かったとも言える。しかし、同時に聞かれる不満はフランスの外交力低下にも向けられており、特にドイツとの相対的な比較において国際社会での存在感の低下が目立つのも事実だ。

 サルコジ前大統領時代の独仏関係は「メルコジ(メルケル+サルコジ)」とも称され、両国は危機対応でもある程度の協調と指導力を演出してきた。しかし、特に昨年半ば以降の危機対応ではフランスの存在感が目立つ場面は減り、独仏の意見が対立する中で両国の関係も冷めたものになっているとの見方が強い。

 先日、ドイツ与党のキリスト教民主同盟(CDU)の幹部は、オランド大統領が財政規律などの「EU(欧州連合)の基盤を揺るがしている」と批判した。これはアンゲラ・メルケル独首相が両国の連帯を示すべく訪仏する数時間前のことだった。

 一方、仏ルモンド紙の報道によれば、フランス与党である社会党は、メルケル首相を「緊縮首相」と呼び非難している。独シュピーゲル誌は「独仏関係は予想されていた悲観論を上回って悪化し、・・(中略)・・銀行同盟からキプロス救済まで全ての点で意見が対立している」と評しており、欧州債務危機の解決にも、こうした独仏の関係悪化が影を落としている。

 両国が対立する構図は、欧州債務危機問題だけにとどまらず、EUと他国との国際関係でも目立つようになってきている。6月4日にEUが決定した中国製太陽光パネル輸入に対するアンチ・ダンピング関税の適用についても、フランスが同提案を主導したのに対し、ドイツは反対した。こうしたEUの強硬姿勢には中国も反発し、翌6月5日にはフランスをターゲットとして欧州産ワインに対するアンチ・ダンピング調査を始めると発表している。

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「「ドイツは信頼できるが傲慢さがイヤ」」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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