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五輪開催、少ない「経済効果」より「暮らしやすさ」の向上を

ロンドン五輪の教訓に学ぶ

2013年9月19日(木)

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 2020年の東京オリンピック(五輪)開催が決まった。これに伴い、民間エコノミストの間では、恒例ともいえる経済効果の試算が色々と発表されている。しかし、その金額は3兆円から150兆円と様々なようだ。

 この議論の過程で、2012年のロンドン五輪後、英国における1年間の経済効果が99億ポンド(約1兆5500億円)であったとする、英政府ならびにロンドン市発表の資料に言及する報道もいくつか見られた。

 はたして五輪開催は、いかほどの経済効果を期待できるのだろうか。ロンドン五輪に対する英国の評価を検証しつつ、考察してみたい。

「エリザベス女王・オリンピック公園」へと生まれ変わるために再開発が進むロンドン五輪会場(写真:吉田健一郎)

オリンピックを開催しなくても投資は起きた?

 上述の99億ポンドという「経済効果」の試算は、発表直後から英国では激しい批判にさらされた。99億ポンドの内訳は、25億ポンドの五輪後の対内直接投資、15億ポンドの来年のソチ・冬季五輪など五輪関連事業への英国の関与、59億ポンドの五輪関連事業への販売促進による輸出拡大からなっている。

 しかし、例えば25億ポンドの五輪後の対内直接投資のうち、10億ポンドはロンドン中心部から約20キロも南に下ったクロイドン市への大型ショッピングセンターの建設であったこともあり、これが本当に五輪効果なのか、といった批判が起きた。

 政府による経済効果発表直後に英国営放送BBCのラジオ番組に出演した、英ビジネス・イノベーション省のビンス・ケーブル大臣は、上記のような批判に関して「何も無くともこうした投資は起きたか、ですか?案件のうちいくつかは確かにそうかもしれない」とコメントし、99億ポンドの試算は「厳密にアカデミック」なものとは言えないとも述べた。

 そのほか、英デイリーメール紙は、ロンドン五輪の陸上女子7種の金メダリストで、人気者のジェシカ・エニス氏がトレーニングを行ってきた競技場が年間70万ポンドの運営費を削減するために閉鎖されることや、英スカイニュースによる世論調査で回答者の88%が「五輪によって何か新しいスポーツを始める気にはならなかった」と答えたことなど、マイナスの側面に注目した報道を行っている。

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「五輪開催、少ない「経済効果」より「暮らしやすさ」の向上を」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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