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どうなる?「アベノミクス」vs「メルケルノミクス」

ドイツの「意趣返し」で思わぬユーロ反落リスクも

2013年10月17日(木)

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 安倍晋三首相と彼が掲げた「アベノミクス」は過去1年、「5勝3好転」という絶好調の成績を収め、一見すると“向かうところ敵なし”の状況に思われる。

 まず、「5勝」というのは、選挙という選挙すべてに大勝利を収めていることを指す。具体的には、自民党総裁選(2012年9月)、衆議院選挙(2012年12月)、東京都議会議員選挙(2013年6月)、参議院選挙(2013年7月)、そして、国際オリンピック委員会(IOC)総会での五輪招致決選投票(2013年9月)の5つだ。

 そして、「3好転」とは、「アベノミクス」のもとで経済金融情勢が3つの点で改善していることを指す。つまり、大幅な円安・株高という「市場の好転」、物価予想など「期待の好転」、そして、国内総生産(GDP)成長率が2四半期連続で前期比年率3%を超えるなど「実体経済の好転」の3つである。

メルケル独首相やドイツ連銀がアベノミクスを批判

 ところが、そのアベノミクスを表立って批判する人物が欧州にいる。「欧州の覇権国家の首領であると同時に、現在の欧州で最も優れた政治家」(英エコノミスト誌)であり、9月の総選挙で同じく歴史的大勝利を収めたドイツのアンゲラ・メルケル首相だ。

 振り返れば、メルケル首相は、今年1月の段階で、円安への懸念を表明。スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムでの講演後の質疑応答で、「(為替操作の観点で)今の日本を見ていて全く懸念を感じないとは言えない」と穏当な表現ながらも、明快に円安を牽制した。

 さらに、今年6月に開催されたG8サミット(主要8カ国首脳会議)の席上でもアベノミクスを批判。報道などによれば、アベノミクスについてメルケル首相は、全体会議と日独首脳会談の双方で「デフレ脱却の必要性は理解するが、日本は大変な財政赤字を抱えている」「金融緩和の出口戦略をどう考えているのか」、そして、「通貨安競争に陥るリスクもある」などと発言。各国首脳が総じて賛意を示す中で、副作用への懸念などに触れて、1人異議を唱えたのがメルケル首相であったという。

 ドイツ発のアベノミクス批判はメルケル首相だけに終わらず、続く8月には、ドイツ連邦銀行(中央銀行)もこれに正式に加わっている。同中銀は8月19日に発表した月報で、「日本の新経済政策のマクロ経済的示唆について」と題するコラムを掲載。「2013年にはGDPを1.25%程度押し上げるが、翌年にはプラス作用が縮小し、2015年には逆に景気の下押し圧力が顕在化する」などとしている。

 あわせて「他国に比べ労働組合の力が弱い日本では賃金上昇を実現することが難しい」「政府の金融政策への関与が増しているが、歴史的に見て、中央銀行の独立性は物価と成長の長期安定に重要である」「消費税引き上げと財政刺激策の効果が切れる時期が重なる」「財政出動の繰り返しによって将来の財政政策の柔軟性が奪われる」などと、総じて辛口のトーンでまとめられていた。

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「どうなる?「アベノミクス」vs「メルケルノミクス」」の著者

武田 紀久子

武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

1989年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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