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ウクライナが「破綻の瀬戸際」、その実態は?

マネーの動きで追う危機の深層

2014年3月12日(水)

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 昨年末にウクライナで起きた反政府デモは、同国の政権交代につながった。さらに、ロシア政府が軍事介入を承認し、クリミア自治共和国への関与を強めたことで、事態はウクライナを舞台としたロシアと欧米諸国の間の政治危機にまで発展している。ロシアや米国など各国首脳の鞘当てに世界が注目するなか、経済的に破綻寸前ともいわれる危機の当事者であるウクライナは、置き去りにされているようにすらみえる。ウクライナは今、どのような経済状況に置かれているのか。

 ウクライナ暫定政権のコボロフ財務相代行は、政権発足直後の2月24日、「ウクライナ政府は今後2年間で350億ドル(約3兆5000億円)の国際支援を必要としている」との声明を発表した。支援要請の理由の1つは、昨年12月にヤヌコビッチ前大統領が取り付けたロシアからの150億ドル(約1兆5000億円)の支援が、ヤヌコビッチ政権の崩壊によって期待できなくなったためだ。

 この要求に対応する形で、欧州委員会では総額112億ユーロ(約1兆6000億円)の包括支援パッケージを発表。同時に国際通貨基金(IMF)もウクライナから要請のあった150億ドル(約1兆5000億円)規模の支援を実施すべく、調査団をウクライナに派遣した。米国も10億ドル(約1000億円)規模の融資を表明している。

膨らむ借金、迫る返済期限

 しかし、ウクライナの対外債務は、返済に必要な金額の規模が極めて大きい。そのうえ、返済期限も刻々と迫っており、いかに迅速に支援を行えるかが重要となっている。

 昨年10月の時点で、民間も含めたウクライナの対外債務残高は1377億ドル(約13兆7700億円)あり、このうち約5割の658億ドル(約6兆5800億円)が2014年10月までに支払期限が訪れる。658億ドルのうち政府並びに中央銀行の対外債務は約1割の64億ドル(約6400億円)で、この内訳としてはIMFからの借り入れを含むローン(54億ドル=約5400億円)や通常の国債償還(10億ドル=約1000億円)が含まれている(図1)。(なお、ウクライナ政府は2013年末の時点の官民の対外債務合計額はさらに増加し、1400億ドル=約14兆円に達したと発表している)。

図1:ウクライナの対外債務の内訳
(注)2013年10月1日時点、1年以内に返済が来る
(資料)ウクライナ国立銀行

 こうした政府の債務返済に加え、政府関連企業の対外債務は総額で100億ドル(約1兆円)程度あり(図1では「その他セクター」に含まれる)、例えば国営ナフトガスによる約16億ドル(約1600億円)の債券償還が本年9月に迫っている。さらには、ロシアからのガス輸入代金の決済も滞っており、その支払いをガスプロムから求められている。報道によれば、その金額は15億ドル(約1500億円)程度で、2月も支払われない場合は19億ドル(約1900億円)程度に膨らむ見込みだ。

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「ウクライナが「破綻の瀬戸際」、その実態は?」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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