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人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

建設・小売り・接客業などが足を引っ張る米国

2014年9月29日(月)

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 「失業率は低下しているが、賃金の伸びは依然弱い」

 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見でこう述べて、労働市場の改善がなお道半ばであることを強調した。

 確かに、米国では雇用者数が堅調に増加する一方で賃金は伸び悩んでいる。

 シェールブームに沸く鉱業や、半導体や自動車など好調な生産が続く一部製造業の取引先からは、賃金が上がっているとの話をよく聞く。また、企業が埋めることのできない求人、いわゆる欠員率も、既に前回ピーク(2007年)の水準まで達している。経験則からすれば賃金上昇率が高まってもおかしくない状況だが、いまだにその兆しはうかがえない(図1)。

図1 欠員率と賃金上昇率
(資料)米国労働省

 なぜ、人手不足感が強まっているのに賃金が上がらないのか。

 我々の見立ては、建設や小売りなど一部業種の特殊事情が賃金の伸びを抑制しているというものだ。以下では、そう考える理由を述べることにしたい。

「小売り」「接客」「建設」「専門サービス」で賃金低迷

 まず、人手不足感を示す欠員率をみる際には、2つの点に注意する必要がある。

 1つは、欠員率の水準が業種によって異なることだ。事実、足元における建設や製造の欠員率は2%台だが、小売りは3%半ば、専門サービスや医療、情報などに至っては4%を超えている。

 では、欠員率が高いほど人手不足感が強まっているかといえば必ずしもそうではないのが、もう1つの留意点である。専門サービスや医療などは、過去の景気拡大局面でも総じて高い欠員率となっている。これらの業種は、他の業種に比べて常に人手不足感が強いということになる。したがって、賃金上昇率への影響を見る際には、単に欠員率が高いか低いかではなく、同じ業種で見た場合、過去に比べてどれだけ高まっているか、もしくは低下しているかに注目する必要がある。

 図2は、前回ピークである2007年対比でみた実質賃金上昇率の差を縦軸に、欠員率の差を横軸にとり、業種ごとにプロットしたものである。実質賃金としているのは、比較年次の物価上昇率に差があるためだ(物価上昇率の伸びが弱ければ、その分名目賃金の伸びは弱くなる)。また、横軸がプラス(マイナス)の領域にある業種は、前回ピーク時に比べて人手不足感が強い(弱い)ことを意味している。

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「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」の著者

太田 智之

太田 智之(おおた・ともゆき)

みずほ総研ニューヨーク事務所長

1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。2012年7月より現職。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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