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本国に逃げた外国人、批判できますか?

5月2日号

2011年5月2日(月)

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 「なぜ外国人は慌てて本国に逃げ帰るんだ。過剰反応だろう」「原子力発電所に近いエリアで取れた農作物ならともかく、すべての日本製食品に厳しい輸入規制をかけるのはおかしい」。原発事故が起きて以来、何度も耳にした言葉です。しかし、この発言にはどこか日本人の驕りも見えます。

 かつて米国に駐在していた時、BSE(牛海綿状脳症)の問題が起きました。当時、米国から輸入する牛肉の全頭検査を主張していた日本に対し、多くの米国人は「過剰反応だろう」とあきれ顔でした。

 もちろんBSEと今回の放射能の問題を同列に扱うのは乱暴かもしれません。ただ、理由はどうあれ、ひとたび他国で食品の安全性に関する問題が起きれば、輸入停止や厳格な検査に踏み切るのは日本もやってきたことなのです。立場が変われば、主張も変わる。諸外国を批判する前に相手の立場になって考えてみる必要があります。
 今回の特集「消えた外国人労働力」でお伝えしたかったことの1つも、この点です。日本語が堪能でない外国人が、日本でリスクに過敏になるのはやむを得ないことです。むしろ我々は彼らの不安感を取り除く努力をどこまでやってきたのか。足元を見つめ直す必要があります。

 外国人労働者が本国に逃げ帰った職場で、「外国人は信用できない。最後に頼れるのは日本人だけだ」といった会話が交わされているとしたら、問題は深刻です。今回の震災は日本人に、外国人の立場になって考える謙虚さや国際感覚の大切さを示唆しているような気がします。

2011年5月2日号より

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「本国に逃げた外国人、批判できますか?」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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