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自粛ムードに透けて見える横並び意識

5月9日号

2011年5月9日(月)

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 東日本大震災以降、列島を覆う自粛ムード。「いつ頃から普段通りの経済活動をしても、顰蹙を買わないか」と企業関係者から相談を受けることが増えました。震災から約2カ月が経ち、そろそろ新製品発表会などのイベントや本格的な宣伝活動を再開したい。ただ、周囲が自粛を続けている中で、真っ先に目立つことをやって「不謹慎だ」と言われるのは避けたいというのが本音のようです。

 いつ自粛を解くのか。時期の問題はともかく、気になるのは、企業の横並び意識が強いことです。特に大企業にその傾向が強い。一方で、オーナー系企業やベンチャーの中には、独自の判断で動くところが少なくありません。サントリーホールディングスは典型でしょう。故・坂本九さんの『上を向いて歩こう』などの曲を著名人がリレー形式で歌うテレビCMを放送し、話題を集めました。こんな時も「やってみなはれ」の社風は健在なようです。

 ソフトバンクの孫正義社長が個人資産から100億円を寄付すると発表した時や三菱商事が総額100億円の支援基金を設立すると発表した時は、産業界の一部から「パフォーマンスだ」「儲けすぎ批判をかわすためではないか」といった声も聞かれました。被災地支援まで出る杭は打たれるのでしょうか。

 今の自粛ムードの背後には、こうした日本特有の横並び意識や事なかれ主義があるように思います。未曾有の大災害を前にして、被災地支援や自粛の在り方に決まった解はありません。何もせずに他社の様子をうかがっているよりは、主体的に動くことが求められています。

2011年5月9日号より

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「自粛ムードに透けて見える横並び意識」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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