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減収増益経営の限界

2012年1月23日(月)

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 売上高100億円で損益トントンの事業と売上高10億円で利益を3億円稼ぐ事業とでは、どちらを大切にすべきか――。最近、そんなことを考えます。恐らく現在の経済界の風潮では後者でしょう。不採算の事業を整理し、多くの利益を稼ぐ経営者の方が称賛されます。しかし、そう単純な話でしょうか。売上高は消費者の支持の表れであり、雇用を生み出す原動力でもあります。売上高が10倍ある事業は、それだけ多くの従業員を雇用し、給与を支払っていることを意味します。

 もちろん、売上高100億円の事業は黒字になる努力をしなければなりません。ただ、徹底的な合理化に取り組んで、売上高50億円、利益3億円の事業になったとしたら、それは手放しで喜べる状況なのでしょうか。世の中、目先の利益確保を優先して縮小均衡路線に走る企業が目立ちますが、結果、失業者が増え、消費マインドが低迷しています。企業個々で見れば、利益確保のために正しい選択をしているつもりでも、マクロで見れば、皆で景気の足を引っ張っている。日本経済はそんな合成の誤謬に陥っている気がします。表現を変えれば、それをデフレスパイラルと言うのかもしれません。

 私が言っていることは、ビジネスの最前線で戦っている読者の皆様から見れば、甘いのかもしれません。実際には、企業はマーケットの評価にさらされており、競争を勝ち抜かなければなりません。しかし、それでも今の利益偏重の風潮には釈然としないところがあるのです。「利益より売り上げ」という特集のタイトル、読者の皆様にはどう映ったでしょうか。

日経ビジネス 2012年1月23日号より

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「減収増益経営の限界」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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