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現地化とジャパニーズパッシング

2012年9月18日(火)

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 企業の海外展開が成功しているかどうか。私なりに密かにチェックしていることがあります。うまくいっている企業ほど、取材の際に現地採用のスタッフを紹介する傾向があると感じています。全幅の信頼を置いているスタッフがいるということでしょう。逆にうまくいっていない企業は、日本人幹部がすべての説明をしたがります。恐らく日本人と現地従業員の「二重行政」になっており、まだ取材対応を任せられるほど、信用できる人がいないのだろうと推測します。

 人材の現地化が進んだ企業の中で、最近よく耳にするのは、現地幹部の横の異動を始めたという話です。例えば、買収したインドネシアの会社の社長に中国人幹部を据えるといった、外の拠点間の異動が増えてきました。欧米のグローバル企業の経営に一歩近づいたということかもしれませんが、少し心配にもなります。日本企業が日本人を必要としなくなっているようにも映るからです。日本企業による「ジャパニーズパッシング(日本人飛ばし)」が起きているとも言えます。

 今号のインド特集では、現地の複数の中流家庭を訪問し、生活実態を調べています。そこで印象的なのは、どの家庭も教育熱心なことです。支出項目の中で食費と並んで教育費が突出しています。これはインドに限ったことではなく、中国を含むアジアの新興国に共通して見られる光景です。そして、日本企業もこうした現地人材を積極的に処遇し始めました。日本企業に就職したら、上司はインド人や中国人だった。それが普通になる時代が迫っているのかもしれません。

日経ビジネス 2012年9月17日号より

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「現地化とジャパニーズパッシング」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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