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「女性昇進バブル」が弾けないために

2013年8月26日(月)

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 女性部下イジメ地獄、男性差別地獄、制度ぶら下がり地獄…。今号の特集では、こんな見出しをつけて、女性管理職の誕生で生じた職場の混乱を紹介しました。誌面上は匿名ですが、大半が女性活用の先進事例として取り上げられてきた企業のケースです。「経済成長には女性の力が不可欠」という安倍政権の方針の下、多くの企業が数値目標を掲げるなど、女性幹部の登用を急いでいますが、先行した企業の実情を探ると、表で語られてきた美談とは違った現実も見えてきます。

 「これから女性活用を進める企業には、我々の轍を踏んでほしくない」。東芝で長年、ダイバーシティー推進の舵取りをしてきた岩切貴乃さんが、本誌で赤裸々に実情を語っています。2000年代半ばから積極的な女性活用に乗り出した同社には、当時、管理職に登用された人たちに対する「どうせ下駄を履かせてもらった○○枠でしょ」という隠語が存在したそうです。実力ある女性にとっては、これ以上ない侮辱。結局、東芝はその後、女性に特化した活用策を見直しました。

 日経ビジネスは決して、女性の昇進にストップをかけようとしているわけではありません。男女雇用機会均等法から四半世紀。遅々として進まない状況下で、「数値目標しかない」という意見が出てきたことも理解できます。ただ、拙速な形で「女性昇進バブル」が膨らむと、結局、反動で弾けてしまうのではないかと懸念しています。このままだと、今の時期に管理職に登用された女性たちは数年後、「どうせアベノミクス枠でしょ」と、揶揄されているかもしれません。

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「「女性昇進バブル」が弾けないために」の著者

山川 龍雄

山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員

「日経ビジネス」で自動車、商社業界などを担当後、2004年から4年間、ニューヨーク支局長。日経新聞出向を経て、東日本大震災直後から2014年3月まで同誌編集長。同年4月から現職。企業トップへの取材を通して、企業経営への提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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