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中国と共存できる一点の余地

2014年6月9日(月)

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 1898年、英国と清朝の間で結ばれた「香港領域拡大協約」によって、99年間の英国への香港租借が決まりました。時の清朝の交渉責任者は李鴻章。浅田次郎氏の小説『蒼穹の昴』に描かれたシーンは極めて印象的です。99年は長いかもしれないが、3000年にも及ぶ中国の歴史からすればたいしたことはないし、いずれは戻ってくる。李鴻章はそんな長期的な思考を巡らせて永久租借を画策する英国との妥協を成立させました。

 翻って現在。米国か中国か。アジア諸国にとってこれほど困った「踏み絵」はないでしょう。アジア諸国にとって理想的なのは、中国が市場とマネーを提供して、米国が軍事力を背景にした地域の安定を担う、です。ところが、中国はこれを許してくれません。中国にとっては「経済覇権=政治覇権」であり、巨大な経済力を持った以上、政治覇権も求めるのは当然、さて君たちはどちらを選ぶ?

 かつての李鴻章のように、ここで妥協しても悠久の歴史の中ではたいしたことはない、いずれは熟柿が落ちるように覇権は得られる、と考えてくれればいいのですが、時代背景が違いすぎます。衰弱する清朝をバックにせざるを得なかった李鴻章とは逆に、現代中国は強大化する過程にあります。妥協の余地はないのかもしれません。

 もっとも米国あるいは旧ソ連と違い、明確な政治・軍事同盟国を持たない中国は、決定的な孤立は自らの利益にはならないということも理解しているでしょう。その扱いは今後も周辺諸国にとって頭痛の種であり続けることは間違いないと思われますが、この一点だけが、中国と共存できる余地を残している気がします。

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「中国と共存できる一点の余地」の著者

田村 俊一

田村 俊一(たむら・しゅんいち)

日経ビジネス編集長

1989年日経BP社に入社。日経リゾートを経て1993年から日経ビジネス編集部。日経新聞経済部、日経ビジネス・ロンドン特派員、日経ビジネス副編集長、日経新聞産業部次長を経て2014年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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