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「制約」があるからこそ「革新」が生まれる

2015年2月16日(月)

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 今号の特集「LEGO」の原稿を読む前夜、部内のある副編集長(デスク)と食事をしながらイノベーションについて議論をしていました。皮切りは最近絶好調のマツダ車のデザインについて。「魂動(こどう)」と自称するデザインはどうして生まれたのか。日経新聞の広島支局にいたこともあるこのデスクからすれば「あのマツダがこんなデザインを生み出すとは信じがたい」こと。2人で出した結論は「どん底を経験し、ヒト、モノ、カネの『制約』があったからこそ生み出せたのではないか」というものでした。

 話はそこから最近の軽自動車の機能、デザインに広がります。「そういえば、最近の軽もすごい」。軽の躍進ぶりは価格や燃料費の安さだけでは説明がつきません。やはり居住性、デザインが格段に向上したからこそでしょう。ガラパゴスと言えばそれまでですが、軽という日本独自の「制約」が生み出したイノベーションかもしれません。

 かつてロンドンに駐在した際こんな話を聞いたことがあります。「無印良品」を展開する良品計画の現地法人を取材した時のことです。「MUJI」は今や、日本の誇るブランドの一つですが、あのシンプルなデザインは世界の名だたるデザイナーたちの創造力をくすぐるのだ、というのです。色にも形にも「制約」があるからこそ、という話でした。

 「LEGO」の原稿を読んだのはその翌日でしたからまさに「我が意を得たり」の心境でした。制約は革新の母──。どん底からの革新にはもちろん理由があります。しかし、どん底だからといって諦めてはいけない。現在、どん底にある日本企業も少なくありません。そうした企業の人にもぜひ読んでいただきたい特集です。

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「「制約」があるからこそ「革新」が生まれる」の著者

田村 俊一

田村 俊一(たむら・しゅんいち)

日経ビジネス編集長

1989年日経BP社に入社。日経リゾートを経て1993年から日経ビジネス編集部。日経新聞経済部、日経ビジネス・ロンドン特派員、日経ビジネス副編集長、日経新聞産業部次長を経て2014年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長