• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

貧困から脱出するためには70年前に立ち戻ることから始めよ

2015年3月23日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 成長と革新には健全な競争が必要です。旧ソ連をはじめとする共産圏の失敗を見るまでもなく、行き過ぎた「平等」と「分配」は停滞と腐敗を生み出します。戦後日本の成長を支えたのは、競争力の主役を担った中間層の分厚さでした。その結果、日本は世界にまれなる格差の小さい社会を実現したのです。

 しかし、競争環境は徐々にむしばまれています。中間層の所得が低下し、相対的に貧困層が増えてしまったのです。理由の一つは15年の長きにわたったデフレにあります。デフレによって企業の稼ぐ力が低下し雇用を守れなくなりました。労働市場の改革が遅れて正社員の既得権が守られる一方、若者を中心に非正規化が進んでしまいました。競争力の源泉となる中間層の減少は、国全体の活力をそぎます。

 ではどうすればいいのか。まずは企業の稼ぐ力を回復させること。アベノミクスによる一連の施策はこのためと言っていいでしょう。しかしそれだけでは足りません。「15年デフレ」は大企業の収益の回復だけでは到底救い切れない、分厚い貧困層を出現させてしまったからです。

 今必要なのは、労働力の再配置です。少子化が進み、大学は「全入」時代を迎えています。しかし、大卒ばかりが本当に必要でしょうか。「大学は出たけれど」では、何のための高等教育か分かりません。一方で中小企業では人手不足が顕在化しています。高卒でも技術力を磨いて企業の戦力となり、中間層を形成する方が社会にとっては有益なはずです。それは戦後日本が歩んできた道でもあります。貧困からの脱出、それは70年前に立ち戻ることから始まるのかもしれません。

コメント0

「編集長の視点」のバックナンバー

一覧

「貧困から脱出するためには70年前に立ち戻ることから始めよ」の著者

田村 俊一

田村 俊一(たむら・しゅんいち)

日経ビジネス編集長

1989年日経BP社に入社。日経リゾートを経て1993年から日経ビジネス編集部。日経新聞経済部、日経ビジネス・ロンドン特派員、日経ビジネス副編集長、日経新聞産業部次長を経て2014年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

高齢者に配るお金はあるが、少子化対策のお金はないと言うのは、おかしいでしょう。

小泉 進次郎 衆院議員