speaker by 高橋俊宏(たかはし としひろ) 「北欧スタイル」編集長
1973年生まれ。99年枻出版社に入社。現在、北欧のデザインとライフスタイルを紹介する「北欧スタイル」編集長を務める。北欧に関する情報はウェブサイトとブログにて随時発信している。http://www.sideriver.com/scandinavia/
text by 上岡隆
スウェーデンの大型家具店「IKEA(イケア)」の格安で魅力的なデザインの家具や雑貨、「世界一」と言われる高い学力を誇るフィンランドの教育現場など、数年前から世間では「北欧ブーム」が続いている。
北欧(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの5カ国)が最初に日本で話題になったのは、5〜6年前のデザインブームの時だ。
イームズのいすなど1940〜60年代に作られたミッドセンチュリーの家具やプロダクトデザインが見直された当時、北欧に優れたデザインが多いことが世界中に知れ渡った。これをきっかけに、北欧を「デザイン大国」として取り上げるテレビや雑誌が登場し、北欧の認知度が少しずつ高まっていった。
そして2006年、本格的な北欧ブームが到来する。3月にフィンランドのヘルシンキを舞台にした映画「かもめ食堂」が公開されると、ロハスやスローライフの生活に憧れる人だけでなく、一般の人までも北欧に強い関心を持ち始めた。
4月には、IKEAが千葉県船橋市に1号店をオープンし、日本で本場の北欧家具が手頃な価格で買えるようになった。
2007年には、15〜16歳の子供を対象とする経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(2006年版)の結果が発表され、以前から話題になっていたフィンランドの高い学力が確固たるものだということが誰の目にも明らかになった。
知名度が高まった北欧をもっと知りたいという人も多いだろう。ここでは、そういった要望に最適な6冊を紹介する。
IKEAの魅力を探る

『IKEAのすべてがわかる本』 北欧スタイル編集部 枻出版社
日本で北欧を最も身近に感じられる場所と言えばIKEAだ。商品の品揃えから店舗設計まで、スウェーデンのスタイルをそのまま日本に持ち込んでいる。船橋店(千葉県船橋市)、港北店(神奈川県横浜市)に続いて今年は、ポートアイランド店(兵庫県神戸市)と鶴浜店(大阪府大阪市)をオープン。11月には、新三郷店(埼玉県三郷市)も加わる予定で話題は尽きない。
そのIKEAを余すところなく楽しめる本が『IKEAのすべてがわかる本』だ。デザインの観点をしっかり踏まえた商品紹介のほか、北欧デザインに強いクリエーターやショップ店員が1万円の予算内で商品を購入する企画などがあり、店内で食べられる料理、購入できる食料品とそれらを使ったレシピも紹介されている。デザインと機能性に優れていて、かつ安いIKEAの家具や雑貨に興味を持つ人にお薦めの1冊だ。

『北欧スウェーデンのかわいいモノたち』 山本由香著、インターシフト
さらにかわいらしい北欧雑貨のデザインを知りたいという人には、『北欧スウェーデンのかわいいモノたち』という本をお薦めしたい。
スウェーデンに在住する著者が、街中やスーパーで見つけたかわいらしい日用雑貨のパッケージデザインをたくさん紹介している。北欧では身近に接する菓子や飲料、食料品のパッケージもデザインが斬新だ。色がビビッドでありながら、濃淡をうまく使い分けて優しい雰囲気を出している。見ているだけで楽しくなる本である。

『教育立国フィンランド流 教師の育て方』 増田ユリヤ著、岩波書店
ここ最近、北欧、特にフィンランドの教育現場を視察する教育関係者が急増している。ゆとり教育で学力低下が叫ばれている日本と違って、フィンランドの子供たちは高い学力を安定して維持している。その秘密はどこにあるのか。『教育立国フィンランド流 教師の育て方』を読むと全貌が見えてくる。教育者の著者は、5回にわたってフィンランドを訪れ、延べ30カ所に及ぶ教育現場を取材。
フィンランド教育のカギは「平等な教育」「現場への信頼」「質の高い教員の養成」にあるという。この本では、それらを実践しているフィンランドの教育現場の現状を教育者の視点で明確にとらえている。






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