10月16日、世界最大のディスカウント小売チェーンWal-Mart(ウォールマート)のPR担当会社Edelman(エデルマン)のRichard Edelman(リチャード・エデルマン)CEOは、ウォールマートの「Flog (Fake Blog:企業に雇われていることを隠す、あるいは偽ってブログをすること) 」を開設していたことを認めて、自らのブログで謝罪した。事件が発覚してから5日間沈黙を続けた後での謝罪だった。
現在、米国ではウォールマートのブランドイメージは非常に悪いと言わざるを得ない。社員の最低賃金保証や医療保険などの労働問題が長年に渡って批判され続けているためだ。その打開策の一つとして、同社はマスメディアとは異なる影響力を持つBlog sphere(ブログスフィア:ブログ圏)で企業イメージの回復を図るために、エデルマンを起用した。エデルマンは、まず昨年の12月にウォールマートのPRプログラム「Working Families for Wal-Mart (WFWM) 」を立ち上げ、そのプログラムの一環として、同社は「Wal-Marting Across America」*という旅行ブログを企画・実施した。しかし、このブログは同社が仕掛けたものであることは隠したままで、典型的なFlogだったのだ。
*「Wal-Marting Across America」:ごく平均的なカップルJim(ジム)とLaura(ローラ)は、RV(Recreational Vehicle)で、ラスベガスからジョージアまで旅行を計画。その際に、"RVフレンドリー"で無料駐車させてくれるウォールマートの駐車場で、宿泊しながら旅することを思いついた。彼らは、行く先々で出会うウォールマート社員の親切な応対に接しながら、ウォールマートが社員に提供しているすばらしいサービスなどを聞いていく。旅先でそうした社員を撮影をしながら、ブログで情報発信していった。例えば、社員の子供が重病に陥り、ウォールマートが提供する保険で30万ドル(1ドル=116円で計算すると3480万円)の治療費をカバーして、その子供は無事に社会復帰ができた、といったエピソードである。「事件」としてすべての事実が発覚した後、旅のブログはすべて削除されて、現在は最後の言葉のみがブログに掲載されている。





JaM Japan Marketing LLC代表。日米のマーケティング・ビジネスを橋渡し米国シリコンバレーで、日米のマーケティング・ビジネスのファシリテイターとして、戦略の開発実施・調査分析などのコンサルティング・サービスを提供する










