「米国ネットの“ざわめき”を聴く」

米国ネットの“ざわめき”を聴く

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2006年10月26日(木)

第5回 参加体験型のコンテストでWOMを生む

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 「アメリカン・アイドル」に代表される米国のリアリティTV番組*は、アンディ・ウォーホルが30年前に予言した「15分間の名声」**を求める現代の米国消費者の欲求を強くとらえている。携帯電話による投票を受け付けて視聴者を直接番組に参加させることによって、高視聴率を獲得している番組も珍しくはない。この手のリアリティTVに限らず、MySpace やYouTube に代表される「CGM(コンシューマ・ジェネレーテッド・メディア)」の世界でも、この「15分間の名声」にあこがれるアマチュアあるいは無名のクリエーター(ミュージシャン、ビデオ制作者)が、多くの一般の人たちの評価や支持によって、著名人になる現象が起きている。

 ここでのポイントは、「Vote(投票)」や「Review(評価やコメント)」によって、当事者(コンテスト参加者・コンテンツを投稿するクリエーター)と、それを鑑賞する人たち(TVやインターネットで視聴している一般の人たち)の間に親密な一体感が生まれ、それが特定の人を応援したり、そのコンテンツを他人に伝えるという積極的な行動につながり、多くのバズ(クチコミ)を創出し始める点にある。

 *リアリティTV番組: 一般人をメイン出演者として制作されるTV番組。全米でこれまで300近く制作されたという。6300万件という膨大な投票数を獲得するコンテスト形式の「アメリカン・アイドル」が代表的で、この形式の番組を通じて、ミュージシャン、エンターテイナー、モデルなど数々のジャンルで、素人が勝ち抜きプロとしてデビューを飾っている。コンテスト形式以外には、「Extreme Makeover」や「Swan」のように、整形手術やダイエットなどによって、容貌に自信が持てない人たちを女優やモデル並みに変身させるという番組もある。
 **15分間の名声: 1960年代にアンディ・ウォーホールは、「未来では、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」と予言し、1970年代末に「60年代の予言はついに現実になった」と話した。マスコミからこの言葉について何度も聞かれるため、ウォーホールは、このフレーズを「15分の間なら誰でも有名になれる」と言い換えて、以後この件についてはコメントを控えるようになった。


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著者プロフィール

大柴 ひさみ(おおしば・ひさみ)

大柴 ひさみJaM Japan Marketing LLC代表。日米のマーケティング・ビジネスを橋渡し米国シリコンバレーで、日米のマーケティング・ビジネスのファシリテイターとして、戦略の開発実施・調査分析などのコンサルティング・サービスを提供するJaM Japan Marketing LLCの創設者/パートナー。日本の広告代理店の電通ヤングアンドビルカム、米国広告代理店マッキャン・エリクソンを経て、20年間に渡る日米間のビジネス経験を生かして、1998年にJaM Japan Marketingを設立。「Peer to Peer」(P2P)、「WOM」(Word of Mouth)などを活用した最新のマーケティング手法に注目したサービスを提供している。
ブログ「ひさみをめぐる冒険」を執筆中。本ウェブでは以前「米国ネットの“ざわめき”を聴く」を連載した。


このコラムについて

米国ネットの“ざわめき”を聴く

企業は“クチコミ”を自社のマーケティング戦略にどのように活用すべきか。どんな効果やリスクがあるのか。米国在住の筆者がWOM(Word of Mouth:クチコミ)先進国の最新動向を紹介します。

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