「業界別Webユーザー行動特性と対策」

業界別Webユーザー行動特性と対策

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2007年4月24日(火)

第11回 不動産サイト(前編) 十分な選択肢を与え絞り込むプロセスを提供

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今回のポイント
  • 高額商材である分譲住宅はWebでの情報収集行為との親和性が高い
  • ユーザーは、まず場所やエリアを指定して物件を探していく
  • 物件検索では条件設定の柔軟性と適度な結果表示件数が重要
  • 物件検索では条件設定の柔軟性と適度な結果表示件数が重要
  • 明確で豊富な情報量がユーザーを引き付けるコツ
  • 問い合わせ促進のポイントは不安解消と必然性
  • 高額商材ゆえに検討に時間がかかることを前提にサイトを構築

 ユーザーがインターネットを利用して活発に情報収集している分野に不動産がある。従来、ユーザーが住宅に関する情報を収集するには、新聞の折り込みチラシや住宅情報誌、または不動産会社の店頭などの選択肢があった。しかし、それぞれ以下のような制約を抱えていた。

・チラシや雑誌のような紙媒体: 情報量の制約、印刷・配布のリードタイムによる情報鮮度の劣化

・来店: 物理的・時間的制約

 インターネットによる情報提供では、これらのデメリットを解消できる。ユーザーはいつでも手軽に新鮮な情報を受け取れると同時に、多くの選択肢からの比較検討が可能となる。また、不動産会社は広く多くの潜在顧客に物件をPRできるようになった。

 特に「人生最大の買い物」と言われる住宅購入では、ほとんどの場合、十分に納得してからでないと購入を決断することはないので、ユーザーはインターネットを活用して綿密に情報収集する傾向が強い。今回は不動産ポータルサイト、次回は物件サイトと、いずれも分譲住宅に関連するサイトを中心に取り上げ、不動産サイトにおけるユーザーの特徴・行動特性を見ていくことにする。

まず場所を指定して物件を検索

 「家を買う」という人生の大きなイベントに際し、多くの人は、まず場所を指定して物件を探し始める。しかも、その場所はなじみがあったり、知っている場所であることが多い。いくら価格や間取りが希望に合っていても、希望のエリアの物件でなければ、なかなかそれを選ぼうとはしない。今住んでいる場所の近く、昔住んでいた場所、家族・友人・会社・学校の近くなど、人生最大の買い物はなじみのある場所を選ぶ人が非常に多い。不動産業界では「地縁のあるエリア」と表現したりもする。

 こうした行動特性は、そのままインターネットでの物件検索にも表れている。例えば、検索サイトで物件を探す場合には「新築マンション 吉祥寺」など、地名を含めて検索する場合が多い(写真1)。

写真1●「住宅関連キーワード(新築マンション) + 地名(吉祥寺)」によるGoogleでの検索結果例

写真1●「住宅関連キーワード(新築マンション) + 地名(吉祥寺)」によるGoogleでの検索結果例

スポンサーが多く、自社物件の認知獲得に各社とも積極的であることがうかがえる。

 このようなユーザーの動きに対応するために、物件サイト側では地名を含めたSEO(検索エンジン最適化)対策やリスティング広告出稿が有効となる。ただしWebユーザーは、自分の希望に合致する物件が一つ見つかるだけで、納得するわけではない。むしろ、いろいろな選択肢から一つを選ぶというプロセス自体を求めていることが多い。そのため、不動産ポータルサイトの使用ニーズが極めて高い。物件サイトのSEO対策やリスティング広告出稿にばかりコストをかけすぎてしまうと、ユーザーの行動パターンと合わなくなり費用対効果が低下するので注意が必要である。


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著者プロフィール

武井 由紀子(たけい・ゆきこ)

ビービット 取締役 業務執行責任者
 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。金融機関の組織戦略立案や官公庁のシステム開発に従事した後、2000年3月のビービット設立に参加。ビービットでは、金融機関や製造業、インターネット専業企業などのWebサイト・コンサルティングに携わる。コンサルティングした主な企業は、三井住友銀行、日本経済新聞社、本田技研工業、Yahoo!JAPAN、マネックス証券など。著書に『ユーザ中心ウェブサイト戦略』『ウェブ・ユーザビリティ ルールブック』がある。

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