日本でインターネット広告がスタートして2006年に満10年を迎えた。インターネットという新しいメディアが立ち上がり、その成長とともにインターネット広告も発展してきた。インターネットが今後も進化・成長していくなかで、インターネット広告も次の発展の基盤となるべく、各種指標を整備しなければならない時期に来ている。
今回と次回の2回にわたり、“先輩メディア”であるテレビの広告指標を俯瞰(ふかん)した上で、テレビCMの指標と比較しながら、インターネットの広告指標の現状と今後について整理していこう。
まず今回は、テレビCMの指標として広く利用されている「GRP」について解説する。テレビ放送が始まって既に50年以上が過ぎたが、その間にテレビ広告に関係する各種指標が整備されてきた。テレビメディアの成長とともに発展してきたテレビ広告が年間2兆円の市場規模にまで成長した理由の一つは、この指標が整備されたことにあると言えるだろう。
スポットCMの取引で使われる業界共通の“ものさし”
テレビ広告には、番組と一体で売買される時間枠の中に設定されている「タイムCM(提供CM)」と、放送局が定めた時間枠の「スポットCM」がある。このうち、スポットCMの取引では「GRP」という指標がよく使われる(図1)。

図1●GRPはテレビCMの出稿計画の検討時に用いられる
GRPは「Gross Rating Point(延べ視聴率)」の頭文字を取った用語である。「延べ」と表現されるのは、あるスポンサーが10本のテレビCMを出稿した場合、そのテレビCMがそれぞれ放送された時点の毎分視聴率(※注)を10本分、単純に足し上げた合算値を、そのテレビCMのGRPとするからである。
しかし、このように計算されるのは、スポンサーや広告会社がCM出稿後に事後評価(アクチュアル管理)する場合だけである。通常、GRPの説明としては、以下のような計算式を目にすることの方が多いかもしれない。
<GRP=リーチ×フリクエンシー>
または
<GRP=到達率×平均接触回数>
これは、日々1分単位で測定されるテレビ視聴率によって、テレビCMの接触率と接触回数を実測し、そのデータの蓄積によって“公式化されたモデル”を、広告主、広告会社、放送局が共通の“ものさし”として利用していることの表れだと言える。
※注) 毎分視聴率とは、視聴率調査の対象世帯からオンラインで送られてきた視聴記録をもとに算出した1分ごとの視聴率のこと。視聴率データの最小単位である。一般に「視聴率」という言葉が使われる場合、この毎分視聴率を足し上げて、放送分数で割った「番組平均世帯視聴率」を指すことが多い。















