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2006年10月12日(木)

ヤフーの財務から見る、「海外展開」と「文化」の関係

第5回 ネット・エコノミー解体新書

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 ネット系の企業が、急速に成長するための資金を獲得するには、株式の上場が不可欠である。上場したら、市場からの高い期待に応えるために、果てなき成長を続けなければならない運命になる。

 島国日本のベンチャー企業の多くは、なぜか国内市場だけを前提としていても何の違和感も抱かない。だが、米国においては、ベンチャー企業が国内市場だけに閉じこもることを前提とするならば、投資家にとって意味不明。当然のことながら、「海外展開」をいかに成功させるかが、果てなき成長を目指すネット系ベンチャーの企業戦略においても大きな柱の一つになる。

 今回は、Yahoo!Inc.(以下「ヤフー」または「米ヤフー」)の年次報告書(Form 10-K)とヤフー株式会社(以下「ヤフージャパン」)の有価証券報告書を中心に、同社のビジネスモデルと海外展開について考察してみたい。

まずは現地企業との合弁で進出

 よく考えてみると、人がどんなコンテンツをどのように探し求めるかは、まさに「文化」そのものであり、「文化」は当然、国や地域ごとに大きく異なる。

 日本においては、ヤフーがソフトバンクとのジョイントベンチャーとして、ヤフージャパンの事業を展開していることは誰もが知っている。日本以外でも、現在展開している20の国と地域の多くで、ヤフーは、直営ではなく、ジョイントベンチャー形式で進出してきている。

 財務的に考えれば、提携先に利益の一部が流れてしまうジョイントベンチャーより、海外での利益がダイレクトに本体に貢献する100%子会社の方が、企業価値は高くなるはずだ。実際、ヤフーは現在「直営化」を進めている。英国、ドイツ、フランス、韓国のヤフー事業はソフトバンクとのジョイントベンチャーだったが、2005年11月には、ソフトバンクの持ち分を5億ドル(約590億円、1ドル=118円として換算、以下同様)で、すべて米ヤフーが買い入れ、100%子会社化した

 それでもまだ、日本、中国、オーストラリアの3カ国では、現地企業とのジョイントベンチャー形式で事業を展開している。


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