Digital Hollywood Fall 2007に参加した人々の間で、熱く議論されたのが「長尺か短尺か」の話題だ。尺というのは、番組の長さのことを言い、長尺というのは30分〜2時間くらいの長さの番組を指す。30分もののテレビのコメディから2時間の映画までプロフェッショナルが作る映像フォーマットには、一定の決まりがあり、一定の起承転結がある。
一方、「YouTube」は、主に最長10分間の動画しか投稿できない。YouTubeには、サッカーのゴールシーン、政治家の失言場面といった、ちまたの話題の映像があふれている。こうした短尺の映像が繰り返し見られ、その映像のことがネット上のクチコミで広まる現象が起こるようになって、実は視聴者は見たい場面だけを見たいのではないか、短い映像こそがオンライン上の映像の切り札ではないかと、カンファレンスでWeb2.0系ネット企業の人たちが主張していた。
一方、マスメディア側の人間は、短尺が好まれているのは、短尺しか見ることのできない貧弱なインフラ、インターネットアクセス、パソコン環境のせいだと主張する。インターネットでデジタル放送なみの、高細度の映像を見ることができるのなら、人々は長尺作品を楽しむだろうというのだ。確かに、米国に来てパソコンで動画を見ると分かるが、すぐ動きが止まったりする。YouTubeなどWebベースで視聴するタイプは問題ないのだが、「Joost」のようにブラウザをダウンロードする場合はちょっとやっかいだ。
私が思うに、これはメディアビジネスをするのかコンテンツビジネスをするのか、整理して考えなければいけない問題だと思う。きれいな映像を楽しむ人は本当にそれが好きな人だけだろう。DVDのボックスセットを買ったりする人たちだ。長尺コンテンツを制作して販売するビジネスはこうした人たちが対象となる。ハイビジョンで撮影するなど映像の付加価値が生かされるコンテンツビジネスの市場だ。
一方、映像をただ話のネタに見るだけの多くの人たちには、“オイシイ”ところだけを切り出した短尺のコンテンツが必要だろう。より多くの人たちに見られ、話題になることが目的だから、こちらはメディアビジネスを目指していることになる。
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情報通信総合研究所 主任研究員









