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2008年2月5日(火)

第13回:“パワーブランドのつくり方”
その2:和式ブランディングを見習え

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日本は、長寿ブランド大国でした!

 ちょっと驚いたことがありました。なんと日本は長寿企業大国だったのです。NHKの番組で見たのですが、世界で250年以上続いている企業の約66%を日本の企業が占めていました。ヨーロッパが約33%、アジアが約0.6%、アメリカが約0.4%。そして、世界最古の企業は日本の飛鳥時代。寺社仏閣の建設業、金剛組。1400年も続いていることになります。恐るべし、というよりなんだか誇らしく感じました。

 前回、パワーブランドのつくり方:その1でお話したのは、広く知られていることより、消費者との心の絆を強くつくることが、パワーブランドへの道。つまり、消費者の心の中で、「好き」を大きく成長させていくことができれば、ブランドはその人の生活になくてはならないものになる。この考え方に通じるものがある、と思わず膝を打ってしまいました。

 驚くべき点はまだあります。100年以上続いている日本企業の中から無作為に抽出した600社の業績調査をしてみると、平成の不況下においても成長企業は約30%、現状維持でも約47%というビックリの数字。「持続」には、間違いなくパワーブランドの秘密があるようです。

 もともと、ブランディングは長期戦略と考えられていました。ブランドを確立するには、時間とお金がかかる。それより目の前の利益が優先だ。なぜか、こういう風潮ができていたので、私もさんざんブランドの重要性を話しても、腰が引けて先送りにする企業が多かったのも事実です。

 しかし、長期戦略と長期にわたってブランドを維持成長させることは別物です。というより、強いブランドをつくれば結果的にそのブランドは長寿ブランドになる。そう思うのです。

 キットカットのブランド再生には、時間的な猶予はありませんでした。ただ知られているだけのブランドから、大好きなブランドになるために。振り返ってみれば、わずか2年でコンビニの棚が激変しました。いちばん下の段に隠れるように置かれていたキットカットが、最上段に何列も並べられるようになったのです。

 キーワードはやはり消費者との絆です。いままで、まったく心に触れることのなかったキットカットが、ある日、突然、受験生の心に小さな勇気を与えた。たった、それだけのことです。しかし、小さいけれど受験生つまり消費者を思う気持ちを、毎年毎年続けることで、(これがとても重要)小さな「好き」が大きな「好き」に変化していった。

 しかし、これで終わりではありません。強い強い長寿ブランドになるためには、これからもこの「絆」を作り続けていかなければなりません。挑戦です。

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著者プロフィール

関橋 英作(せきはし・えいさく)

関橋 英作 マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。


このコラムについて

マーケティング・ゼロ

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか?これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。

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