4月21日から開始しました。切手を張ってそのまま郵便で送れるキットカット。その名も、「キットメール」。裏には、送り主からのメッセージが書き込めます。
受験生の間では、お守りとして定着したキットカットですが、よく質問されるのが、受験生だけでなく、もっと広いターゲットにコミュニケーションしないんですか、ということ。当然の話で、クライアント、チームを含めていろいろな施策は実行しましたし、また考えてもいます。それがなかなか多くの人たちを動かしていないのは、強いアイデアに欠けていたのかもしれません。反省です。
正直な話、ここまで受験のお守りというイメージがつくと、そこから脱却していくのは難しい。しかし、キットカットの「心」を考えてみれば、脱却ではなく広げていく、というスタンスに立ったほうが正しいのかもしれません。
もともと、受験のストレスから少しの間でも解放してあげる、というのがキットカットの役割(大げさかもしれませんが)。とすれば、受験生に限らず、たくさんの人にとってキットカットが役立つことがあるはずです。ちょっとだけ勇気を持って、自信を持って、自分の願いに近づくために。
そういう原点に立ち返ったとき、気付いたのがメッセージの力でした。私もそうですが、仕事がうまくいかないとき、落ち込んでいるとき、信頼している人や仲のいい友達から励ましのメッセージをもらうと、下に向いていた心のベクトルが急に上を向く。あるでしょう。反対に、ひとりであれこれ悩んでいると、ますます立ち直りとは逆の方向へと行ってしまう。そんなときの、他人からのひと言。どんな薬より効果は絶大です。
受験キャンペーンに当てはめてみると、もちろん一番多いのは、本人がお守りとしてキットカットを買うこと。その次が家族や先輩、知人など。「がんばって」と言葉を添えて、受験生にキットカットを贈っていました。私の生徒の中には、気付かれないようにキットカットの中にメッセージを入れて、後輩や友だちに贈っていた子もいたほどです。
受験におけるキットカット現象は、単なる験(げん)かつぎではなく、受験生を思いやる気持ちの交流を生んでいたのです。ある程度は期待していましたが、うれしく予想外な現象でした。
これが今回の「キットメール」の原点です。誰かが誰かのことを気にかけて応援する。当たり前のことといえばそうですが、コミュニケーションの欠落した時代では、何より大事なことのように思えます。
また、携帯電話やパソコンのメールと違って、直筆の手紙は贈る人の気持ちをリアルに温かく伝える。最近、手紙が復活の兆しを見せているのも、当然のことのように思えます。
私事ですが、最近、小学生の男の子と何度か文通をしたのですが、いちばんドキドキするのが封を開ける瞬間。もちろん、メールでもそうでしょうが、楽しみ度は全然違います。手紙の好きな方はお分かりでしょう、あの感じ。字は決して上手ではなくても、一生懸命書いた様子が伝わってきて、思わずニッコリしてしまいます。一度、ヒエログリフ文字で名前を書いてきてくれたのには感動しました。
これが、リアルの強さ。突然やってきたメッセージは、間違いなく受け手に刺さるはず。こう考えながら、実験をしてみました。通常のキットカットに、郵便で送れるサイズの厚紙を貼り、そこに、住所、名前、メッセージを書いて投函(とうかん)。無事に東京から北海道、京都から東京と到着。本体もヨレヨレにならずに届き、やはり、受け取ったときのインパクトは、“WOW!”でした。
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