PRは人から人へつなぐ人海戦術
「広告は北風、PRは太陽」。あまりにもピタリと言い当てているので、久しぶりに読み返してあらためて感心しました。もう、数年前に出版された「ブランドは広告でつくれない」(翔泳社刊)。ブランディング22の法則で有名なアル・ライズ氏とローラ・ライズ氏の書いたものですが、その中の言葉。強引な広告の手法と、自発性を促すPRの違いを見事に言い当てています。
それどころか、PRが広告コミュニケーションにおいて重要な役割を果たすことを先見していたのですから、すごいとしか言いようがありません。
もともと、私がPRのすごさに気づいたのは、キットカットで行った初期のキャンペーンでした。ホテルでの実験で、キットカットが単なるチョコレートではなく、受験生のお守りになる可能性を知りましたが、そのことをどうやって広めていくのか。当時は、それが頭の中を占領していたのです。
テレビCMなどのマス広告でやればもちろん一気に広がるのですが、それではいままで通りの広告の押しつけ。受験生が自ら信じるお守りにはなり得ません。
PRの持つ第三者性に賭けるしかなかったのです。しかし、PRはずっと誤解され、正しく成長しているとは思えませんでした。 「広報」の名の下に、情報を流してマスコミに取り上げてもらえばそれで満足。正直、こんなものだったでしょう。
井之上喬氏の「パブリック・リレーションズ」(日本評論社刊)では、こう書かれています。「個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成する、倫理観に支えられた双方向性コミュニケーションと自己修正をベースとしたリレーションズ活動である」。
私なりに考えれば、英語はPublic Relations。広報と訳してしまったら、リレーションはどこかにいってしまいます。そのまま考えれば、Publicつまり公衆、消費者です。その消費者とリレーションをつくることがPR。関係性をつくるということは、双方向のコミュニケーションをするということなのです。
そう考えたとき、私の中でパズルのピースがピタッとはまりました。PRは、関係性をつないでいく手法。広告が物量軍事作戦なら、PRは人から人へと線状につながっていく人海戦術。しかも、信頼できる人から人へ。
それがあるからこそ、PRは信用できる。そう思われるのではないでしょうか。この、信憑(しんぴょう)性こそがPRを旬なものにしているのです。
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