ロケフリ活用の「まねきTV」、テレビ局の差し止め請求は棄却
少し前の話になるが、6月20日に「まねきTV」事件についての東京地裁の判決が出た。「まねきTV」とは、ソニーの製品「ロケーションフリー」(以下、ロケフリ)を使い、遠隔地のテレビ番組を見られるようにしたサービスである。このサービスの差し止めを求めて訴えていたのは民放テレビ局とNHK連合軍だが、判決は「棄却」。まねきTVを運営していた永野商店の側の全面勝訴となった。
この裁判についてはすでに数多くの報道がされ、分析もされている。たとえば日経IT+PLUSの「テレビ業界を震撼させた新たな司法判断『まねきTV』仮処分却下という記事や、ITmedia+Dの小寺信良氏の記事「テレビ局を震撼させた『まねきTV裁判』の中身」を読めば、ほとんどのことは理解できる。したがって本原稿では判決の内容にまではあまり踏み込まないことにしておくが、裁判の経緯と内容について簡単におさらいしておこう。
ロケフリについてはこの連載の前回でも説明したが、インターネット経由で番組コンテンツを遠隔地に送信できる製品である。テレビのアンテナやHDDレコーダー、CATV(ケーブルテレビ)のセットトップボックスなどに「ベースステーション」という装置を接続し、番組コンテンツを自動的に取り込むことができる。ベースステーションからはLANやインターネットを経由し、パソコンやテレビ、ゲーム機のPSPなどでコンテンツを遠隔地からでも受信できる仕組みだ。この際、ベースステーションと外部受信側のパソコンやテレビは常に1対1で対応しているため、ベースステーションが不特定多数に番組を配信することにはならない。つまり著作権法で禁じられている公衆送信権を侵害する心配はないわけだ。
ロケフリは家電量販店でごく普通に販売されていて、海外に赴任する人や、民放局の少ない地方に転勤する人などに購入されている。つまり東京や大阪の実家や留守宅にベースステーションを設置してキー局などの番組を取り込ませておき、赴任先のテレビに受信させて見られるようにするという使い方だ。
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