「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

  • この記事をブックマーク  ⇒
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Add to Google
  • Buzzurlにブックマーク
  • newsing it!
  • この記事をChoix!
  • トピックイットに投稿する

2008年8月27日(水)

「ネガティブ情報」はマーケティングの敵か味方か

1/2ページ

印刷ページ

 前回、インターネット上のマーケティングに慣れていない企業のマーケティング担当者の方が、最初に恐れるのが「炎上」というキーワードだという話を紹介しましたが、もう一つ、企業担当者の方から不安要因として指摘されることが多いのが「ネガティブ(否定的)」というキーワードです。

 企業が運営するコミュニティやブログにネガティブなコメントを書き込まれることを恐れたり、ブロガー向けにサンプルを配布した後に製品についてのネガティブな内容を書き込まれることを恐れたり。これまでの広告を通じたマスマーケティングにおいては、メッセージはマーケティング担当者が決めたものがそのまま使われるのが普通で、企業側でのコントロールが可能でした。しかし、ブログやSNSなどのソーシャルメディアを活用した際には主導権は利用者側に移ってしまいますから、そこに不安を感じるのは当然だと思います。

 そこで、今回はネットマーケティングにおいて、ネガティブな情報をどうとらえるべきなのかという話をしたいと思います。

物事は必ずネガティブに受け取れる

 まず、そもそも論としてぜひ理解していただきたいのは、ネガティブな要素がない完ぺきな製品やサービスなどあり得ないということです。

 テレビを例に挙げてみましょう。人によってはテレビはできるだけ大きいものが欲しいと思うかもしれませんが、一方で家がそれほど広くないから大きすぎるテレビは邪魔なだけという人もいます。多機能なものが良いケースもあれば、多機能だと操作が複雑で使いづらいと思う人もいます。仮に何から何まで完ぺきな機能をそろえた製品があったとしても、人によってはそれを高いと感じたり、不要だと感じたりするでしょう。

 100%の人が100%ポジティブ(肯定的)にとらえる製品やサービスというのは、あり得ない。これは言い過ぎではないと思います。

 こう考えると、利用者の製品に関する自然な会話の中に、何かしらネガティブな情報が出てくるというのは、むしろ自然なことなのです。

ネガティブな情報はどこにでも書き込むことができる

 また、ネガティブな情報を書き込まれたくないがために、クチコミマーケティングのようなアプローチに消極的になったり、企業サイトに利用者のフィードバックの場所を設けなかったりということがありますが、これは実はあまり意味がありません。

 確かに、企業サイトにネガティブな情報が届かなければ、企業の中からはその情報がなかったかのように振る舞うことは可能です。ただ、インターネットは再三言及しているように、情報発信という観点から見ると非常にフラットな場所です。そのため、企業サイト以外の場所にネガティブな情報が書き込まれれば、結局それがほかの利用者のところに届いてしまいます。

 企業サイトにネガティブな情報を書き込む場所がなければ、逆に彼らは「Amazon.co.jp」や「価格.com」のようなクチコミサイト、自分のブログなどにそのネガティブな情報を書き込むでしょう。場合によっては、ネガティブな情報がより多くの人目に触れることになってしまうかもしれないわけです。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



  • この記事をブックマーク  ⇒
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Add to Google
  • Buzzurlにブックマーク
  • newsing it!
  • この記事をChoix!
  • トピックイットに投稿する
  • 日経ネットマーケティング・トップへ
  • 日経ネットマーケティング・トップへ




Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)


Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント1 件(コメントを読む)
トラックバック

著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

⇒ 記事一覧

ページトップへNBOトップページへ

記事を探す

記事ランキング