前回、インターネット上のマーケティングに慣れていない企業のマーケティング担当者の方が、最初に恐れるのが「炎上」というキーワードだという話を紹介しましたが、もう一つ、企業担当者の方から不安要因として指摘されることが多いのが「ネガティブ(否定的)」というキーワードです。
企業が運営するコミュニティやブログにネガティブなコメントを書き込まれることを恐れたり、ブロガー向けにサンプルを配布した後に製品についてのネガティブな内容を書き込まれることを恐れたり。これまでの広告を通じたマスマーケティングにおいては、メッセージはマーケティング担当者が決めたものがそのまま使われるのが普通で、企業側でのコントロールが可能でした。しかし、ブログやSNSなどのソーシャルメディアを活用した際には主導権は利用者側に移ってしまいますから、そこに不安を感じるのは当然だと思います。
そこで、今回はネットマーケティングにおいて、ネガティブな情報をどうとらえるべきなのかという話をしたいと思います。
物事は必ずネガティブに受け取れる
まず、そもそも論としてぜひ理解していただきたいのは、ネガティブな要素がない完ぺきな製品やサービスなどあり得ないということです。
テレビを例に挙げてみましょう。人によってはテレビはできるだけ大きいものが欲しいと思うかもしれませんが、一方で家がそれほど広くないから大きすぎるテレビは邪魔なだけという人もいます。多機能なものが良いケースもあれば、多機能だと操作が複雑で使いづらいと思う人もいます。仮に何から何まで完ぺきな機能をそろえた製品があったとしても、人によってはそれを高いと感じたり、不要だと感じたりするでしょう。
100%の人が100%ポジティブ(肯定的)にとらえる製品やサービスというのは、あり得ない。これは言い過ぎではないと思います。
こう考えると、利用者の製品に関する自然な会話の中に、何かしらネガティブな情報が出てくるというのは、むしろ自然なことなのです。
ネガティブな情報はどこにでも書き込むことができる
また、ネガティブな情報を書き込まれたくないがために、クチコミマーケティングのようなアプローチに消極的になったり、企業サイトに利用者のフィードバックの場所を設けなかったりということがありますが、これは実はあまり意味がありません。
確かに、企業サイトにネガティブな情報が届かなければ、企業の中からはその情報がなかったかのように振る舞うことは可能です。ただ、インターネットは再三言及しているように、情報発信という観点から見ると非常にフラットな場所です。そのため、企業サイト以外の場所にネガティブな情報が書き込まれれば、結局それがほかの利用者のところに届いてしまいます。
企業サイトにネガティブな情報を書き込む場所がなければ、逆に彼らは「Amazon.co.jp」や「価格.com」のようなクチコミサイト、自分のブログなどにそのネガティブな情報を書き込むでしょう。場合によっては、ネガティブな情報がより多くの人目に触れることになってしまうかもしれないわけです。
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NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。










