「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2008年9月10日(水)

バイラルマーケティングを甘く見てはいけない理由

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 前回までのコラムで、ネットマーケティングを実施する際に担当者の方が懸念されることの多い「炎上」と「ネガティブ情報」の二つについて考えてみました。

 どちらもネットならではの特殊な現象ととらえているために、過度に心配されるケースが多いのではないかというのが私の印象です。その半面、インターネットを使ったマーケティングに過度に期待が高すぎるケースもあります。

 その代表といえるのが、インターネット上のクチコミの伝播力、一般的に「バズ」(うわさが飛びかうこと)や「バイラル」(ウイルスのように話題が自然に広がること)というキーワードで表現されるクチコミの急速な盛り上がり、また、こうした盛り上がりを仕掛ける「バイラルマーケティング」に対する期待でしょう。

 バイラルマーケティングを仕掛けて成功すれば、広告を活用したマーケティングに比べてはるかに低コストで商品を売ることができる、そう考えて気軽にバイラルマーケティングのサービスを試したものの、なかなか成果を出すことができなかったというケースも多いようです。

 そこで、今回はバイラルマーケティングを実施する上で注意すべきポイントを、いくつかご紹介したいと思います。

バズやバイラルを引き起こすことは簡単ではない

「バズやバイラルを引き起こし、製品の認知さえ上げることができれば、きっと製品が売れるようになる」 

 この考え自体は根本的に間違っているわけではありません。実際にバズやバイラルをうまく引き起こすことができれば、その目的を達成することは可能です。

 ただ、ここで注意が必要なのは、一般的にバイラルマーケティングの成功事例として紹介されるような大きなバズやバイラルが巻き起こるのは、実際にはレアケースであるという点です。

 バイラルマーケティングで成功した企業は大抵の場合、成功するまでに多くの試行錯誤や失敗事例を積み重ねています。有名なバイラルマーケティングの成功事例の中には、「Diet Coke + Mentos実験」のように、企業の意図とは全く関係のない企画がたまたま成功事例となったケースも多く含まれます(参考記事)。

 広告であれば出稿費用の分だけ、成功した広告も失敗した広告も私たちの目に公平に触れることになりますが、バイラルマーケティングでは成功事例に比べ、失敗事例はほとんど目につきません。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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