「釣堀マーケティング」

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2008年9月25日(木)

第1回:土用の丑の日と昼キャバに見るブルーオーシャン戦略

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 行動ターゲティングなんて仕事をやっていると、すごい最先端なことをしているような、テクノロジー寄りのイメージを持たれることが多い。もちろんそれは間違いではないのだけど、テクノロジーはあくまで道具です。

 テクノロジーの進化によって今までできなかったターゲティングが可能になったのは事実としてあるけれど、誰に、いつ、どこで、ターゲティングするのかを間違えていては、効果は半減してしまいます。

 誰かが「技術革新はイノベーションではなくて、技術革新が一般化することがイノベーションだ」と言っていましたが、まさにその通り。 テクノロジーを使いこなすためには誰に、いつ、どこでターゲティングするのかの選択を正しく行うことがとても大切なのです。

 そしてそれは、時代が変わっても変わらない普遍的なもので、今も昔もみなそこに頭を悩ませています。 正解が分かれば釣堀で魚を釣るように簡単に魚を釣れるのに……。

 そんな思いで、「釣堀マーケティング」という理想を求めつつ、つれづれとコラムを書いていきたいと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ。

キャンペーンでうなぎの特需を生み出した平賀源内

 さてこの原稿を書いているのは9月です。季節の上では秋ですが気温も体感もまだまだ夏です。この原稿が公開されるころには涼しくなっているのでしょうか。 まだまだ夏気分なので夏の食べ物が頭に浮かびます。

 夏といえばうなぎ。日本では年間10万トン近く食されるうなぎですが、ご存知の通り土用の丑(うし)の日はいまでも書き入れ時。 日本中がうなぎの蒲焼のにおいで覆われます。

 さて、この土用の丑の日の起源には諸説あるようです。

 一般的にいわれている説では、

鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が最もよく知られている。これは文政5年(1822年)の、当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)に収められている。

 それによると、商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の所に相談に行った。源内は、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という民間伝承からヒントを得て、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、物知りとして有名な源内の言うことならということで、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという。

 とWikipediaにありました。

 今でこそ夏の食べ物でもあるうなぎですが、この説が正しいとすると、昔、うなぎは夏に売れていなかったことになります。

 確かに夏は食が細くなりますし、そういわれてみればゆだるような夏の日にうなぎの蒲焼は少し重いかも、という気もしてきます。

 平賀源内発案の「土用の丑の日にうなぎを食べよう」キャンペーンの前は、うなぎは夏の食べ物というイメージは無く、むしろ敬遠される食べ物だったのかもしれません。

 年間を通して特別な需要期が無く、例年、夏に売り上げが落ち込むうなぎビジネスに、平賀源内は、土用の丑の日というストーリーを導入することで、今までの閑散期であった夏に特需を生み出すことに成功した、ということになります。

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著者プロフィール

渡辺 健太郎(わたなべ・けんたろう)

渡辺 健太郎

1974年宮城県出身。1997年東邦大学理学部情報科学科卒業後、大塚商会を経て、1999年にインターネット広告代理業やインターネットメディア事業を展開するサイバーエージェントへ入社。1999年7月には、大阪支社を立ち上げるとともに支社長を務める。その後、2005年7月からは責任者として「アメブロ」の立ち上げを担当。2006年12月サイバーエージェント取締役に就任。現在は株式会社マイクロアド代表取締役として、行動ターゲティングやコンテンツ連動型などの広告テクノロジーを開発・運営し、アドネットワーク事業「MicroAd(マイクロアド)」を展開する。

行動ターゲティング、ブログ広告、リターゲティングのマイクロアド


このコラムについて

釣堀マーケティング

誰に、いつ、どこで、どうやってターゲティングするのか。その選択を正しく行う、つまりターゲティングの正解を知っていれば、釣堀で魚を釣るように簡単に魚が釣れる。欲しがっている人、潜在的なニーズを持っている人に的確に情報を伝えることができるようになればいいな、というのが多くのマーケティング担当者の思いだ。「釣堀マーケティング」という理想的な状況を作りだすためのヒントになるマーケティング全般の考え方、世の中の身近な事例、具体的なターゲティング手法などを、このコラムでは綴っていく。さまざまなターゲティング手法を知って、うまく使いこなすことが、今後のマーケティングでは必要となり、成功のカギとなる。

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