「週末に映画を見に行こう!」と考えたとき、消費者がとる行動はインターネットが普及したこの10年間ですっかりさま変わりしました。
ポータルサイトや専門サイトに豊富に用意された予告編や、既に見た人のレビューなどを参考にしながら見たい映画を探すだけではなく、そのままシネコンのサイトでチケットや席の位置まで予約してしまうという人が増えています。 学生時代に、映画情報誌をコンビニで買って、上映時間の一時間以上前に映画館に並んでいたことを考えると隔世の感があります。
そもそも、ネットとの関係が深いデジタルコンテンツ業界のなかでも、映画業界は特に早くからネットに取り組んでいる業界の一つです。今や映画を見る人の約30%が、事前に映画情報をネットから得ています。10代に限れば40%以上がケータイから利用しているという事実もあります。チケットの予約はiモードが始まった2000年ごろから急速に広がっています。
また、「YouTube」に代表される動画投稿共有サイトなどの広がりにより、コンテンツの「消費」自体がネットで行われるケースや、さらに、後述する「ケータイ小説」のように作品がネット上で「制作」されるケースも増えてきており、単にマーケティングだけでなく業界の生態系(エコシステム)全体にネットによって変革が起きている分野といえます。
限られた期間でし烈な競争
もちろん、ケータイマーケティングでの取り組みも急速に進んでいます。
まず、ほぼすべての新作映画において公式のケータイサイトが用意されるようになっています。これは当たり前のことのように聞こえますが、一般消費財や自動車など、ほかの商品分野ではこうした取り組みはあまり進んでいません。
●現在公開中映画のケータイ公式サイト
(左から「グーグーだって猫である」「パコと魔法の絵本」「幸せの1ページ」)
映画のケータイ公式サイトでは、ストーリーやキャストに関する情報はもちろん、動画による予告編の提供も第三世代(3G)携帯電話の普及とともにかなり増えてきています。そのほか、壁紙やミニゲームといった細かいインセンティブも充実しています。また、GPS(全地球測位システム)機能を活用して、最寄りの映画館の情報をその場で調べられるなど、ケータイならではの機能も増え始めています。デートの途中、カフェでケータイを取り出し、歩いてすぐに行ける映画館でどんな映画がやっているかを調べ、予告編もチェックした上でチケットを予約するといったスマートな使い方もできるようになっています。
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