「ユーザーの心をつかむWeb文章術」

ユーザーの心をつかむWeb文章術

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2008年10月14日(火)

いいキャッチコピーは、訴求「対象」と「点」が明確

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 セミナーなどで講演を行うとき、事前に事務局の方へ資料をお渡しします。それをプリントアウトし、来場のお客様に配付するためです。でも、私の資料をメールすると、大抵の事務局の方が慌てて電話をかけてきます。「中村さん、これじゃ時間が持ちませんよ。もっとプレゼンっぽく、ビジュアルとか盛り込んでもらわないと」。

 私の資料は多くの場合、文字だけです。

 普段から、パワーポイントのプレゼン資料ばかり見ている方々は「大変だ!これでは来場者に怒られる!」と思うようです。ところが、実際にセミナーで話し出すと、指定の時間いっぱいまで話しますし、多くの方は「良かった」と声をかけてくれます。

“文字だけプレゼン”の威力は、キャッチコピーの基本につながる

 キャッチコピーの基本は、人目を引くことです。広告コピーの目的や役割を理解して、そのコピーを読んで興味を持ってもらいたい相手(ターゲット)と自社の商品の特長も明確にしておく必要があります。

 “文字だけプレゼン”を始めたきっかけは、興味をもってもらいたい相手は「パワーポイントのプレゼンに見慣れたビジネスパーソン」(セミナー来場者)だから、その人たちに興味を持ってもらうために「見慣れないプレゼンテーション」をしようということでした。

  “文字だけプレゼン”は、パワーポイントのビジュアルに慣れている人に「違和感」を与えます。「不安」や「不快」になる人もいるでしょう。ネガティブな側面はありますが、人目は引くわけです。壇上に立つと、事務局、来場者の方々の心理的状況は「期待できないな」という空気です。その空気を変えていくことも、実は私の楽しみの一つでもあります。

 結果がよければ、“文字だけプレゼン”の価値も一気に上昇します。先日、セミナーを聞いたというお客様から、ご連絡を受け、会いにいくと「部下があなたのセミナーが良かったと言っている。最近はあなたのプレゼン資料をまねて提案をしてくる」と教えてもらうこともあります。

 人はギャップを感じた時に、その対象物を深く記憶に刻むのです。キャッチコピーの目的は、先に申し上げた通り人目を引くことですから、人目を引くためにどうすべきか、“文字だけプレゼン”のようにさまざまな戦術を用いて作り上げていく必要があります。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。近著に「ユーマネー」。


このコラムについて

ユーザーの心をつかむWeb文章術

雑誌・テレビと比べて、インターネット広告の出稿量は増え続ける一方です。デザイン面においても、大手の広告会社や広告制作会社がかかわるようになり、そのクリエーティブを評価するアワードなども、活況を呈しています。
しかし、文章やコピー表現となると、紙媒体などと比べて、まだまだ改善する余地は多くあります。SEO(検索エンジン最適化)を中心テーマとしたライティングテクニックなどは大量に本が出版され、インターネット上でも販売されているケースが見受けられますが、それと、ここでいう文章・コピー表現はまったく別モノです。
いくらSEO対策を行ったり、広告を用いたりしてユーザーに自身のWebページにアクセスしてもらうことがかなったとしても、そこに魅力的なメッセージがこめられていなければ、意味がありません。パソコンやケータイなどを使い、コンテンツを見ているユーザーの気持ちをつかむ文章表現が加わることで、初めて、ユーザーに愛されるコンテンツとなり得ます。
このコラムでは「ユーザーの心をつかむ文章術」というキーワードで、ターゲットとなる「人間」の「心」を動かす文章のあり方や、可能性について考えていきたいと思います。

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