セミナーなどで講演を行うとき、事前に事務局の方へ資料をお渡しします。それをプリントアウトし、来場のお客様に配付するためです。でも、私の資料をメールすると、大抵の事務局の方が慌てて電話をかけてきます。「中村さん、これじゃ時間が持ちませんよ。もっとプレゼンっぽく、ビジュアルとか盛り込んでもらわないと」。
私の資料は多くの場合、文字だけです。
普段から、パワーポイントのプレゼン資料ばかり見ている方々は「大変だ!これでは来場者に怒られる!」と思うようです。ところが、実際にセミナーで話し出すと、指定の時間いっぱいまで話しますし、多くの方は「良かった」と声をかけてくれます。
“文字だけプレゼン”の威力は、キャッチコピーの基本につながる
キャッチコピーの基本は、人目を引くことです。広告コピーの目的や役割を理解して、そのコピーを読んで興味を持ってもらいたい相手(ターゲット)と自社の商品の特長も明確にしておく必要があります。
“文字だけプレゼン”を始めたきっかけは、興味をもってもらいたい相手は「パワーポイントのプレゼンに見慣れたビジネスパーソン」(セミナー来場者)だから、その人たちに興味を持ってもらうために「見慣れないプレゼンテーション」をしようということでした。
“文字だけプレゼン”は、パワーポイントのビジュアルに慣れている人に「違和感」を与えます。「不安」や「不快」になる人もいるでしょう。ネガティブな側面はありますが、人目は引くわけです。壇上に立つと、事務局、来場者の方々の心理的状況は「期待できないな」という空気です。その空気を変えていくことも、実は私の楽しみの一つでもあります。
結果がよければ、“文字だけプレゼン”の価値も一気に上昇します。先日、セミナーを聞いたというお客様から、ご連絡を受け、会いにいくと「部下があなたのセミナーが良かったと言っている。最近はあなたのプレゼン資料をまねて提案をしてくる」と教えてもらうこともあります。
人はギャップを感じた時に、その対象物を深く記憶に刻むのです。キャッチコピーの目的は、先に申し上げた通り人目を引くことですから、人目を引くためにどうすべきか、“文字だけプレゼン”のようにさまざまな戦術を用いて作り上げていく必要があります。
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