「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2008年10月22日(水)

クチコミが広がる時間を買ってファン獲得を加速させる

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 前回までのコラムでは、ファン獲得型のクチコミマーケティングを成功させるための、考え方や仕組み作りについて紹介しました。

 ただ、このファン獲得型のアプローチにもデメリットがないわけではありません。ファン獲得型のアプローチにおいて最も深刻な課題として挙げられるのは、製品やサービスの評判についての自然なクチコミの展開には時間がかかるという点です。

 前々回の「ファン獲得を加速させるクチコミの技術」や前回の「あなたのサービスはファンを巻き込んでいますか?」で書いたように、仮にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「mixi」や無料ソフトフォンの「Skype」のようなサービス自体に友人を招待するメリットや仕組みを組み込み、Webメールサービス「Hotmail」のようにサービス利用者が可視化されるような仕組みにし、動画投稿共有サイト「YouTube」のように自社サイト外にサービスの露出先を増やしたとしても、その発信源となるのはその製品やサービスのファンです。

 全く新しい製品やサービスを開発した際には、ファンがゼロの状態からスタートすることになりますから、クチコミが広がるための発信源がいないことになります。

 もちろん、ファン獲得の仕組みが短期で効果的に回るものであれば、比較的短期間に多くの利用者を獲得できますが、大抵の場合は製品の発売当初はクチコミの発生源となるファン自体が少ないわけですから、クチコミの広がりも限定的。当然、評判が大勢の顧客に広がるまでには、かなりの時間がかかってしまうことになります。

 そこで、取り組んでみていただきたいのが、ファン獲得型のアプローチに、お祭り型やマスマーケティングを組み合わせて、加速させる方法です。

 以前のコラム「火のないところに煙は立たぬ?ファン獲得型クチコミの原点」で、1人のファンが何人の利用者を獲得してくれるかで最終的な成果が変わってくるというお話をしました(。

●ファン獲得型はお祭り型と異なり、徐々にクチコミが広がる。1人のファンが何人の利用者を獲得してくれるかで最終的な成果は変わってくる

●ファン獲得型はお祭り型と異なり、徐々にクチコミが広がる。1人のファンが何人の利用者を獲得してくれるかで最終的な成果は変わってくる


 製品やサービス自体の特徴や、ファン獲得の仕組みによって、効率よくクチコミが伝播する状況になっていれば、よりハイペースで利用者を増やせるというのが基本的な考え方です。しかし、先ほど書いたように新製品などでは当然グラフの左側の利用者が少ないので利用者が増えるペースはそれほど速くありません。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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